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PLMはものづくりをどう進化させるのか、Aras CEOに今後の戦略を聞いた

マイナビニュース / 2024年6月28日 11時31分

マーチン氏:差別化ポイントは5つある。

最初のポイントは、デジタルスレッドだ。PLMを提供する企業でデジタルスレッドを提供しているのは、われわれだけではないが、われわれは、すべてのライフサイクルを包括的につなげていける唯一の会社だと思っている。

2つの目の差別化ポイントはオープンな点だ。さまざまなベンダーによるソリューションや、自社で製作したものなども含めて、異なるものが存在する環境の中で、しっかりとオープンな接続性を担保している。さらに、デジタルスレッドを使って、データをしっかりつなげていくことを重視している。他社でも、オープンなデジタルスレッドを提供しているところはあるが、その場合、「すべてのポートフォリオの製品を買ってください」といった話になるかもしれない。

3つ目の差別化要因は、適用性にある。他社の場合は、「持っているソリューションの機能に会社のプロセスを合わせてください」というスタンスだが、弊社の場合、会社さんのビジネスプロセスや仕事のやり方に合うように設定できるようにしている。また、製造業は市場に製品を投入しているが、そういった市場も刻一刻と変化している。PLMは、そういった顧客の状況に合わせて変化させ、適用し、設定を変えられるようなものではなければならないと考えている。

4つ目の差別化要因はスケーラビリティだ。もちろん、PLMのサプライヤーとして弊社だけがクラウド、SaaSを提供しているわけではない。しかし、オンプレミスで提供していたオープン性や柔軟性、適用性をクラウドサービスでも提供できているのは弊社だけだと思っている。

そして、5つ目の差別化要因は、コミュニティの考え方だ。われわれの真の強みというのは、プラットフォーム上でアプリケーションを開発しているコミュニティ、すなわちアプリケーションディベロッパーであったり、SIerであったり、パートナー、顧客から来ると信じている。

コミュニティは、「Build with Aras」というスローガンのもと、プラットフォーム上で開発した経験値を活かしながら、共に成長できるような環境を醸成している。
○久次社長は、日本でリープフロッグ現象(技術的に遅れていたものが、一気に飛び越えて最新の技術に到達する現象)が起きるとおっしゃっていますが、その理由を教えてください。

久次氏:ITを使ったデジタル化には、デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーション(DX)という流れがある。その中で、デジタイゼーションは、何らかのアナログなやり方をデジタル化していこうというものだ。CADの3次元化で日本の企業は立ち遅れたというのが業界の認識だと思う。日本の製造業のデジタル化の遅れは、かつてはあったが、ものづくりというのは企画から始まって、設計して、量産が始まるまで、いろいろな部門に渡って情報を伝えていかなければならない。ものづくりの情報を部門を超えて一元管理しようというのがPLMだ。

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