PLMはものづくりをどう進化させるのか、Aras CEOに今後の戦略を聞いた
マイナビニュース / 2024年6月28日 11時31分
デジタライゼーションというのはプロセスをITを使って改善していくもので、日本は、PLMである「Aras Innovator」の導入において、北米やヨーロッパと比べて成功していると感じている。なぜ成功しているかというと、規模感が違うためだ。日本は万を超えるユーザー導入を実現している企業が二桁以上あり、自分のプロセスにITをできるだけ合わせて、自分たちのプロセスを強化していくという導入の仕方をしている。それが、PLMの成功につながっている。
デジタライゼーションの準備が整っている日本の企業は、中国や韓国を飛び越えて、製造業として世界一になれるチャンスがある。なぜなら、次のデジタルトランスフォーメーションは、AIを使って新しいイノベーションを起こしていくという方向性だからだ。大規模言語モデルがPLMの中にあって、プロセスをつないで構築することができる準備が日本企業は整っているので、リープフロッグ現象が起こると思っている。
●今後のPLM開発でカギになる「AI」と「クラウド化」
○今後、AIをどのように活用していく予定でしょうか?
マーチン氏:AIを使ってデータを解釈すれば、より効率よく検索できたり、正しい情報が引き出せる。やり方としてはChatGPTを使う、大規模言語モデルを使う、他の生成AIを使うなど、さまざまなことが考えられるが、AIの使い方は、それにとどまらない。例えば、特定のデータを使ってAIに学習させることで、データどうしのつながりやデザインの詳細なデータを紐づけて理解できるようになる。そうすると、リッチなトレーサビリティモデルが構築でき、デザイン面で仕様を変更した際に、どこで、どれくらいの影響があるのかをより深く理解できるようになる。
また、企業が製造している製品は複雑化しており、複雑なプロダクトになればなるほど変動性も高くなってくる。変動性とは、例えば異なるコンフィギュレーションが必要になるとか、製品の使い方が変わってくるといったことだ。こういった変化に関しても、AIでどういったことが起こってくるのか、起こり得るのかということを特定していけるので、その情報をもとに設計時点から「このパーツをこういうふうに組み合わせていこう」というような意思決定ができる。
さらに、非構造化データの取り込みができる点がある。基本的に、発注元から要件が来るときには、それがWord文書であったり、PDFであったり、Excelであったりする。それをAIで構造化された要件文書に変えることで、デジタルスレッドの最初の糸口にすることができる。
○今年の1月、竹中工務店との協業を発表しましたが、この狙いは何でしょうか?
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