1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

なぜ大学の先生から民間企業へ?LLM研究者の生活スタイルやキャリアの差とは - SB Intuitions

マイナビニュース / 2024年6月28日 13時0分

生活スタイルも変わりました。大学の研究室では学生の授業のスケジュールに合わせて自分のスケジュールが決まるような感じです。企業では関係者数人のスケジュールを確認して調整するだけなので、密な連絡が取りやすくなりました。

品川氏:私も以前は助教をしていましたので、岡さんのお話はすごくよく分かります。研究室では学生の研究に割く時間が1日の大半で、残った時間を自分のために使っていました。大学では学生の研究上のトラブルや研究生活のトラブルなどに迅速に対応するために、常に気を張っていなければいけないので大変でした。その分、学生の研究がスムーズに進んだり学会で賞を取れたりすると、非常に大きなやりがいを感じていました。

生活の面では、以前は奈良県で狭い部屋に住んでいたのですが、現在は少し広めの部屋に引越して、室内で運動をできるようになりました。また、現職では学生の急なトラブルの心配もありませんので、自分のスケジュールをコントロールしやすくなったと感じます。
○アカデミアと民間企業ではキャリアに差がありますか

岡氏:研究の業績数には違いがあると思います。アカデミアの研究室では学生と一緒に研究に取り組むので、自身の名前が載る論文が増えて認知度にもつながります。民間企業では、研究成果を外部に公表するかについて会社の判断が必要になるので、なかなか自分の取り組みをアピールしづらいです。

品川氏:私の研究領域について話しますが、VLMの研究は計算機のリソースが必要な分野です。私自身としてはアカデミアの世界の方が性に合っていると思うのですが、研究室では計算機リソースを獲得しづらい課題があります。しっかりと研究費を獲得して高性能なマシンを確保しなければいけませんが、これがなかなか難しいです。

もちろん会社によりますが、民間企業の方が比較的多くの研究資金を確保しやすいというメリットがあると感じます。岡さんも話していましたが、企業にいることによって情報発信力は落ちてしまいますので、その点は研究者としてはデメリットかもしれません。
これからのキャリアの夢について聞いた
○今後のキャリアの夢や目標を教えてください

岡氏:私は学生時代から続く研究生活の中で、「辞書」をテーマにしています。形態素解析ツールの一つにMeCabというものがありますが「岡さんが一番MeCabを使い込んでいるのでは」と評してもらうこともありますし、自分でもそう思います。一つのことをやり続ける性格を、SB Intuitionsは評価して声を掛けてくれたのだと思います。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください