Excelをノーコードで自動化しよう! パワークエリの教科書 第8回 パワークエリの“大まかな流れ”を復習しよう
マイナビニュース / 2024年7月1日 11時0分
これまでの連載でパワークエリを使った自動処理の“大まかな流れ”は説明できたと思う。とはいえ、通常のExcelとは全く違う使い方になるため、少し頭が混乱している方もいるだろう。そこで今回は、パワークエリの基本プロセスを復習しておこう。パワークエリを自由自在に使いこなせるように、まずは土台を固めておくことが大切だ。
データの取得元と出力先の関係
パワークエリは「ETL」と呼ばれるジャンルに分類されるツールとなる。ETLとは、データの抽出(Extract)、変換(Transform)、書き出し(Load)のことを指している。これらの処理をExcelで自動化するツールが「パワークエリ」だ。パワークエリの役割について、わかりやすく説明すると、
・外部からデータ表を取得する
・取得したデータ表を目的に合わせて加工する
・加工したデータ表をExcelに書き出す
という一連の流れを自動処理してくれるツールとなる。このことを踏まえながら、これまでに解説した内容を復習していこう。
まずは「取得元」と「出力先」の関係について。パワークエリでは、「取得元」と「出力先」の両方がExcelファイルになるケースが多い。これらのうち、クエリ(自動処理)は「出力先のExcelファイル」に保存される仕組みになっている。よって、クエリを作成・編集するときは、「出力先のExcelファイル」を開いて操作するのが基本となる。
これまでの連載では、
(1)フォルダー内にあるExcelファイルを結合して取得する
(2)取得したデータ表を最適な形に加工する
(3)加工したデータ表をExcelに出力する
という流れで解説を進めてきた。この場合、データの取得元は「フォルダー」になる。
このほかにも、さまざまな取得元を指定することが可能だ。単体のExcelファイルはもちろん、CSVやXML、JSONといった形式のファイルからデータを取得する、PDFやWebページ内にある「表」からデータを取得する、といった使い方にも対応している。
ここで覚えておくべきポイントは、パワークエリは「取得元ファイルに一切の影響を与えない」ということだ。取得元ファイルからデータを読み取るだけで、取得元ファイルそのものを書き換える機能はない。
このため、大切なデータが保管されているファイルであっても、安心してパワークエリを使用できる。「会員名簿」や「過去の取引履歴」のように、個人が勝手に編集してはいけないファイルから必要なデータを取得し、好きな形に加工して出力する、といった使い方が可能である。
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