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H3ロケット3号機現地取材 第4回 H3ロケットは2機連続成功、「まぐれでないことを証明できた」

マイナビニュース / 2024年7月2日 19時27分

画像提供:マイナビニュース

宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は7月1日、同日打ち上げたH3ロケット3号機について記者会見を開催、結果について報告した。発表によると、搭載した先進レーダー衛星「だいち4号」(ALOS-4)は、所定の軌道への投入を確認。打ち上げは成功した。H3ロケットの成功は2機連続、成功率は50%から67%に向上した。

だいち4号の状態は正常。太陽電池パドルの展開、太陽捕捉制御の実行などが確認され、順調に運用が進められている。だいち4号は、現在軌道上で運用中の「だいち2号」の合成開口レーダー(SAR)ミッションを引き継ぐ観測衛星。だいち2号からは、観測幅が4倍に強化されているのが大きな特徴だ。

H3ロケット3号機は「ほぼ完璧な成功」

JAXAの山川宏理事長は、だいち4号について、「日本が長年培ってきたSAR技術の強みを生かし、自然災害での迅速な対応のほか、地殻・地盤変動、火山活動の異変の早期発見、森林資源や農作物資源の把握などに貢献していく」とコメント。「ユーザーの皆さんにできる限り早く観測データを配布できるようにしたい」とした。

H3ロケットは、今回が「試験機」の名称が取れた初の運用機だった。大事な衛星を所定の軌道に投入するという大役を果たし、幸先の良いスタートを切ることができた。これについて、「日本の基幹ロケットとして、自立性の維持と国際競争力の確保がH3の大きな目的」とした上で、今回の成功は「大きな一歩だった」と評価した。

だいち4号の開発を率いたJAXAの有川善久氏は、H3ロケットを使ってみた感想として、「ユーザーフレンドリーだった」とコメント。だいち4号は、前任のだいち2号と同じ軌道面で運用する計画であるが、今回、高い精度でその軌道に投入してもらったことで、「だいち2号との連携がやりやすい」と喜んだ。

JAXAの有田誠H3プロジェクトマネージャは、初号機の打ち上げ失敗で「だいち3号」を喪失したとき、その日のうちに衛星側の関係者に謝罪し、「H3を必ず立て直すと誓った」という。今回、無事にだいち4号を軌道に送り届け、「その約束が果たせて、ほっとしている」と、安堵の表情を見せた。

だいち3号もだいち4号も、開発を担当したメーカーは同じ三菱電機だった。MHIの志村康治H3プロジェクトマネージャも、「衛星を分離したあと、三菱電機の人たちと握手できたのがとても嬉しかった」と、笑顔を見せた。

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