佐野正弘のケータイ業界情報局 第130回 価格高騰でミドル~ミドルハイクラスに活路を求めるスマホメーカーを待つ“茨の道”
マイナビニュース / 2024年7月8日 11時30分
最高性能のフラッグシップスマートフォンが軒並み20万円近い価格になり、あまりにも高すぎて売れなくなってしまったことから、2024年夏商戦の新機種は各社とも5万~10万円の現実的な価格で購入できるミドル~ミドルハイクラスに力を入れる傾向が強まっています。ですがこのゾーンには、ここ最近メーカー各社の脅威となっているグーグルの「Pixel」シリーズが待ち受けており、“茨の道”となっていることもまた確かです。
新生FCNTはレノボの力を生かした新製品で勝負
スマートフォンの発表ラッシュが続いた5月、大きな動きを見せて注目を集めたのがFCNTです。FCNTといえば、円安などの影響によって2023年に経営破綻し、大きな衝撃を与えたことが記憶に新しいところですが、その後中国レノボ・グループが一部を除く事業を承継。米モトローラ・モビリティと同様に、レノボ・グループ傘下のスマートフォン企業として再スタートを切っています。
その新生FCNTが、2024年5月16日に新製品発表会を実施し、スマートフォン新機種「arrows We2」と「arrows We2 Plus」を発表しています。「arrows We」といえば、日本メーカーのFCNTが手掛ける2万円台の低価格ローエンドモデルということもあって非常に高い人気を誇ったモデル。FCNTの説明によると総出荷台数は280万台で、日本のAndroidスマートフォンの中では出荷台数が歴代1位を誇る人気機種として知られていました。
ですが、arrows Weはその低価格ゆえ、発売後に円安や半導体不足による部材高騰が直撃して利益が出せなくなり、FCNTが経営破綻へと至った要因の1つになったと見る向きもあります。それだけに、同社が再びarrows Weシリーズの後継機種を出したことには驚きもありますが、非常に大きなスケールメリットを持つレノボ・グループの部材調達力を得たことが、その実現に大きく貢献したといえそうです。
ただ、今回の新機種発表でFCNTがアピールに力を入れていたのは、arrows We2 Plusの方でした。こちらはarrows We2より性能が高いミドルクラスに位置するスマートフォンで、レノボ・グループの調達力を生かしてチップセットにはクアルコム製のミドルハイクラス向けとなる「Snapdragon 7s Gen2」を搭載するなど、ミドルクラスとしては高い性能を持つことが分かります。
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