大河原克行のNewsInsight 第305回 三菱電機の静岡製作所を見てきた - 空調事業の主力工場、「霧ヶ峰」の生産拠点
マイナビニュース / 2024年7月8日 14時55分
霧ヶ峰では、「人をもっと快適にできるはずだ」をブランドパーパスとして、人を中心とした快適性を追求。センサー技術や省エネ性、清潔性へのこだわりを通じて、一人ひとりにあった快適性の実現に挑戦していることも強調した。
一方、三菱電機が推進するサステナビリティ経営においても、ルームエアコンをはじめとした空調事業が貢献しているという。三菱電機全社では、サステナビリティ経営として、5つの課題領域に注力することを掲げているが、空調事業では、そのなかから、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ウェルビーイングの3つの課題領域において貢献しているという。
三菱電機 静岡製作所 副所長兼営業部長の堀越嘉憲氏は、「幅広い機種をラインアップし、機能や工夫によって、社会課題やトレンドに対応している。酷暑や熱中症への備えとして、エアコンが必需品となる一方で、電気代の高騰により、省エネや節電意識が高まっている。また、複数台需要の増加や、寒冷地需要の増加などもあり、こうしたニーズにも対応している」と語り、高APF機種により環境負荷の低減や省エネへの貢献、同社が得意とするセンサー制御による省エネの実現のほか、2024年問題による省人化ニーズに対しては、施工性や運搬性に配慮した室内機の開発や、業界最小サイズとなる室外機を製品化。ムーブアイとエモコアイを組み合わせたエモコテックにより、人の感情を推定した快適制御を行う技術の提供や、汚れ予防や自動洗浄などによる清潔性を実現することによって、様々な社会課題やトレンドに対応していることを示した。
静岡製作所には、生産時の4つのこだわりとして、キット生産や作業ナビによる「生産方式」、機械化や自動化による「生産設備」、高度な技術を持つ技能者による生産および検査を行う「技能者」、通電検査や異音検査、外観検査による「全品検査」を掲げている。これに製造DXを組み合わせて、モノづくりを日々進化させている。
「品質を高いレベルで保つためにデジタル管理された生産計画に基づき、1台分の部品を品揃えしてから組み立てを行うキット生産方式を採用。作業ナビとの組み合わせによってヒューマンエラーを無くすことができる。また、高品質と高効率を両立するために自動化した生産設備を導入。稼働状況をモニタリングし、不具合状況の早期改善、設備トラブルの未然防止により、稼働率を向上させている。さらに、頻繁な生産する機種の切り替えへの対応や、ろう付けなどの複雑な作業を高度な技能を持った技術者が行っている。ろう付け作業の現場では最適な温度での作業を行うといった特別な技能の伝承にDXを取り入れている。そして、出荷するすべての製品に対して検査を実施しており、不具合が発生した際には、その場でタブレットに情報を入力し、早期に発生原因の追求、分析が行えるようにしている」(同社)という。
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