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電力クライシスに備えよ! 世界の潮流から読み解くデータセンターの今 第3回 置き先は自由自在、DXを加速するオーストラリアのプレハブ型データセンター

マイナビニュース / 2024年7月18日 7時30分

画像提供:マイナビニュース

すべての業種において、DXへの対応はもはや避けられない課題だ。そのDXを支えるのがデータセンターだが、近年はその規模に応じた活用形態もいろいろと増えてきた。

一方で、広大な国土を持つ海外の国では、今でも安定した高速インターネットのサービスを提供することが難しい地域も多く、デジタル格差が広がってきているという。オーストラリアの地方都市でも、インターネット接続は、大都市圏に比べて価格に対して信頼性が高くないことがあり、住民からは安定して高速に利用できるインターネットサービスの提供が求められていた。そこで、オーストラリアのこのような地域にプレハブ型データセンターを設置することで、安定したインターネットサービスを提供したのがLeading Edge Data Centersだ。
デジタル格差を解消するために導入されたプレハブ型データセンター

Leading Edge Data Centersは2018年から、高速で安定したインターネット環境が提供されていないオーストラリアの地方都市に、小規模なデータセンターを開設してネットワークサービスを提供するコロケーション事業を始めた。その後、2020年に新型コロナウイルスのパンデミックが世界中で進行。コロナ禍の影響でさまざまな業種でリモートワークが必要とされるようになり、ネットワークが安定的に供給されない地域では、デジタル格差がより明確になってきた。こうした課題を解決するため、Leading Edge Data Centersはオーストラリアの25カ所以上にTier3レベルのデータセンターを設置し、安定したインターネットサービスの提供を拡大させた。

Leading Edge Data Centersが、オーストラリアの地方都市で展開するデータセンター設備として選んだのが、コンパクトで組み立ても容易に行え、設置するだけで安定したインターネットサービスが提供できる、シュナイダーエレクトリックのプレハブ型データセンターだ。プレハブ型データセンターは設計と構築を大幅に簡素化できるため、従来の構築に比べ50%ほど導入時間の短縮になる。設計の承認後、6-9カ月で稼働が開始できる機動力が強みだ。狭いスペースや産業用設備環境への導入、迅速な容量の拡張が可能など、データセンター構築における従来の課題を克服するソリューションとして期待されている。

一方で、複数のデータセンターを運用するにあたっての課題は、広大なオーストラリアにおいてすべてのサイトを現地で実際に監視することがほぼ不可能であることだ。Leading Edge Data Centersのこのプロジェクトの場合、それらサイトのほとんどがオーストラリア南部にあるサウスオーストラリア州の州都から離れた地域にあり、電力インフラも限られていた。

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