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電力クライシスに備えよ! 世界の潮流から読み解くデータセンターの今 第3回 置き先は自由自在、DXを加速するオーストラリアのプレハブ型データセンター

マイナビニュース / 2024年7月18日 7時30分

これらの理由から、プレハブ型データセンターにおいても、信頼性の高いソリューションやバックアップの冗長性、リモートアクセス、持続可能なエネルギー供給などが必要で、数百の顧客の使用状況を正確に追跡でき、リアルタイムでレポートするエネルギー監視システムが採用されることになった。
限られたスペースでの効率的な冷却と一元化されたリモート制御を採用

Leading Edge Data Centersは効率的で堅牢なデータセンターの運用を目指し、エネルギー使用量を最小限に抑えるシュナイダーエレクトリックの EcoAisle ContainmentとInRow DX冷却ユニットを採用。EcoAisle Containmentは、プレハブという限られたスペースの中で、複数のラックから部屋レベルまで、サーバの排熱を囲い込むことで、暖気と冷気の混合を最小限に抑えるシステムだ。また、水道設備が十分に整っていないエリアにおいても、冷却に水を使わない空冷方式のInRow DX冷却ユニットが冷却効率を最大化している。

LVブレーカーを備えたシュナイダーエレクトリックのCanalis 2Nバスウェイシステムは、電力や照明回路、ITネットワークケーブルの配電を可能にする。リチウムイオンバッテリーを搭載した2台のGalaxy VX 500kVA無停電電源装置(UPS)が、停電時の電源バックアップを提供している。さらに、Leading Edge Data Centersのプレハブ型データセンターには75台のアクセス制御が可能なAPC NetShelter SXラックが導入され、APCの電力配分ユニット(PDU)によって、個々の顧客の電力使用量が追跡できる。

これらのデバイスは、シュナイダーエレクトリックの EcoStruxure IT Expertで遠隔から監視されている。Leading Edge Data Centersのすべてのデータセンターを一元監視することで、インフラ全体のパフォーマンスを最適化し、リスクを軽減するための推奨事項をリアルタイムで提供する。さらに、各データセンターの屋根には60kWの太陽光パネルを設置し、この太陽光発電システムと地域のグリッド電力網の組み合わせによって、電力の安定化を実現した。このプレハブ型データセンターのPUEは1.3という高効率を実現するように設計されているが、今後の運用最適化を進めることで、最終的にはPUE1.2での運用も可能だと予想している。

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