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電力クライシスに備えよ! 世界の潮流から読み解くデータセンターの今 第3回 置き先は自由自在、DXを加速するオーストラリアのプレハブ型データセンター

マイナビニュース / 2024年7月18日 7時30分

データセンターも地産地消の時代に

日本ではオーストラリアと比べて、ほぼ全国どこでも安定したインターネット環境が提供されている。だが、今後もあらゆるものがインターネットにつながるDX社会が進めば、エッジで処理するデータセンターの需要が加速するだろう。

例えば、スマート工場やスマート倉庫などの構築を考える際、大企業の施設のようにしっかりしたサーバールームが完備されていればよいが、中小企業の施設ではサーバに適した空調や安定した電源供給が提供される部屋を確保することが難しい。そういった施設でも、工場や倉庫の敷地内にプレハブ型データセンターを設置するだけで、DXによる最先端技術を活用した業務効率化や省人化が可能になる。また、高速道路や郊外の道路の脇に設置できるデータセンターがあれば、EVの普及に伴う充電ステーションの管理や、様々な交通情報をリアルタイムで車両に配信するなどのデータ処理もエッジで高速化できるかもしれない。

このように、日本でもさまざまなニーズが期待されるプレハブ型データセンターだが、一方で日本は季節によって高温多湿の時期があるため、その土地に応じた独自の対応が必要になる。幸い、日本は水道インフラが充実しているので、極暑になる地域では最新の液浸による冷却システムも採用できそうだ。さらに、寒冷地では外気を取り入れた空調システムを採用するなど、その土地の特性を活かした地産地消のデータセンターが構築されることに期待したい。

今井歩 いまいあゆむ シュナイダーエレクトリック株式会社 セキュアパワー事業部バイスプレジデント 1996年、オランダ デルフト工科大学(Delft University of Technology)機械工学部 生産工学専攻、修士課程修了。 1996年、ソニー株式会社に入社。工場の生産効率改善や、VAIOブランドのデスクトップコンピュータの欧州事業の立ち上げに携わる。 2005年、ハーバードビジネススクールにてMBAを取得、同年オランダRoyal Philips Electronicsに入社。ブルーレイディスクプレイヤーの企画・商品化に携わる。 その後、株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパンに異動し、ヘルスケアIT事業部長に就任。 2009年メルク株式会社へ移籍し、新事業開発部長として新規電子材料事業の立ち上げ、6ヵ国にまたがるグローバルセールスを統括。 2016年スペクトリス株式会社PMS(Particle Measuring Systems)事業部のゼネラルマネージャー(日本法人責任者)に就任し、精密測定機器および環境モニタリングシステムの事業拡大に注力。 2018年プロトラブズ合同会社の職務執行者社長に就任し、独自のデジタル・マニュファクチャリング・システムによるオンデマンド受託製造を通じて日本のものづくりに貢献。 2023年2月、シュナイダーエレクトリック株式会社に入社、3月より現職に就き、現在に至る。 この著者の記事一覧はこちら
(今井歩)



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