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東奔西走キャッシュレス 第56回 AI査定でiPhoneを自動買い取り、3億台のタンススマホを取り込めるか

マイナビニュース / 2024年7月12日 21時12分

そして最終的に査定項目が画面上に表示されます。減額査定があるとその項目は赤く表示され、なぜこの買い取り価格になったのかが明示的に分かるようになっています。

画面上に表示された査定金額を確認し、問題なければ買い取りを確定します。確定するとLINEの公式アカウントへのQRコードが表示され、アカウントを友だち登録して本人確認した上でLINE Payや銀行口座に振り込む……という形になるそうです。

ただし既報のとおり、LINE Payは2025年4月いっぱいでサービスが終了することになっており、それに先立って2024年12月下旬には送金サービスが終了する予定になっています。「タンスマ」の実証実験は10月末までなのでひとまずはカバーできますが、そのまま本サービスが開始した場合は問題になるため、現在はPayPayの利用について確認しているところだといいます。

いずれにしても、実際の査定自体は10分ほど。買い取りを確定するとそのまま端末は回収されるので、あとはLINEから振込の設定を行うことになります。
○下取りか、買い取りか

今回はあくまで実証実験ということですが、ある程度の成果が見えたれば本格展開も検討するといいます。Androidスマートフォンへの対応も検討しているそうですが、まずはiPhoneの買い取りが成立しないと事業としては成り立たないとのことで、それが実現すればAndroidにも対応していきたいという考えだそうです。

現状では、iPhone 5から査定に対応しています。こうした古い端末も海外の一部ではニーズがあるそうで、日本だけでなく海外にも展開できるところが強みでしょう。また、回収機のディスプレイに広告物を表示することもできるそうで、スーパーやショッピングモール内に設置してその広告を表示することを想定しているそうです。

1カ月で1台の回収機につき30台程度は回収したい、というのが住友商事の目標。5月以降は毎日買い取りができている傾向だそうで、認知度の向上に伴って利用が伸びているとのこと。

中古買い取りが一般化すると、新機種の購入時に下取りに出すという使い方をする人も増えそうですが、「タンスマ」だと一般的な下取りよりは高い金額での買い取り価格になり、現金での支払いになるというメリットがあると言います。

そもそも「毎年iPhoneの新機種が出るたびに中古買い取りを利用して新機種に買い換えている」といった玄人層はメインのターゲットではなく、下取りや中古買い取りについてあまり認知していないようなユーザー層がターゲット。iPhone 5以上と、比較的古い機種も対象にしているのは、それも理由のひとつになっています。

「タンスマ」が本格的な事業として展開できるかどうかは10月末までの成果を見なければなりませんが、それなりに長期の取り組みをしてみないと成果は分からないのではないかと感じました。最近では端末価格も高騰しており、キャリアやメーカーの下取り、中古ショップの買い取り、そしてこの「タンスマ」と、ユーザーとしては複数の手段を比較してお得に機種変更を目指すのが良さそうです。

小山安博 こやまやすひろ マイナビニュースの編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。最近は決済に関する取材に力を入れる。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、PC、スマートフォン……たいてい何か新しいものを欲しがっている。 この著者の記事一覧はこちら
(小山安博)



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