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最新研究で原因解明! 歯を磨いても「口臭がなくならない理由」を歯科医が解説

マイナビニュース / 2024年7月17日 10時2分

画像提供:マイナビニュース

厚生労働省によるとハラスメントは近年、増加傾向にありここ3年間でパワハラは16%、セクハラは10%の増加を認めています。

臭いに関して周囲に不快を与える「スメルハラスメント(スメハラ)」も増加していますが、パワハラ、セクハラの様に言動に表われず個人の感覚によることが大きいので、対応が難しいところ。

スメハラの代表例として挙げられる口臭は、実は職場の7割の人が周囲の人の口臭に悩んでいます。今回は口臭の最新情報について、歯科医師・歯学博士の宮本日出氏に解説してもらいます。

口臭細菌の共生が原因

世界的に見て日本人は口臭がある人が多いことで知られていますが、大阪大学大学院薬学研究科が日本人の研究で口臭の原因となるメカニズムを解明しました。

口臭には誰にでも発生する生理的口臭と歯周病に起因する病的口臭に大別されますが、前者より後者の方が臭いが強く、その最大の原因となるのがメチルメルカプタンと呼ばれる化学物質です。

実は、このメチルメルカプタンが大量発生しておこる「口臭増加機構」が存在することがわかりました。

口の中に常在し歯周病菌であるフソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum:F.ヌクレアタム)は活動する中でメチルメルカプタンを発生しますが、F.ヌクレアタムだけではメチルメルカプタンの発生は多くありません。

しかしF.ヌクレアタムが、歯の表面に初期に付着している菌がストレプトコッカス・ゴルトニイ(Streptococcus gordonii:S.ゴルトニイ)と接触し連携に至ると、それぞれの悪性度を高めます。

両菌は共生栄養環境(それぞれの排泄物(代謝物)が互いの栄養素となる状態)の関係になり、強力な菌膜(バイオフィルム)を形成し口腔内の細菌のバランスを壊していくのです。

この時に発生させるメチルメルカプタンの生成量は最大で通常時の3倍にもなり、強烈な口臭となります。

そして、この菌膜は非常に頑固で歯磨きでは除去できず、結局歯磨きをしても口臭がなくならないのです。
口臭は現代病か!?

口臭には誰にでもある「生理的口臭」と、歯周病が原因とする「病的口臭」に大別できると最初に説明しました。

生理的口臭は舌の表面の汚れ(舌苔)の中に潜んでいる口臭菌が原因で、菌数が増えると口臭が強くなります。

また、病的口臭の原因である歯周病も、その進行に比例して口臭も強くなります。そして、どちらの菌も口の中が乾燥すると数が増えるのが特徴なのです。

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