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佐野正弘のケータイ業界情報局 第131回 楽天モバイルが手に入れた念願の「プラチナバンド」、過度な期待ができないわけ

マイナビニュース / 2024年7月17日 11時55分

画像提供:マイナビニュース

楽天モバイルは2024年6月27日、プラチナバンドの700MHz帯によるサービスの提供を開始したことを発表しました。ですが、同社の説明と、楽天モバイルに割り当てられた700MHz帯の特性を考慮すると、プラチナバンドで楽天モバイルのエリアが大幅に広がるわけではないようで、過度な期待は禁物だと感じました。

サービス開始に合わせてプラチナバンドを積極アピール

障害物に強く、少ない基地局で広範囲をカバーできることから携帯電話会社にとって最も重要とされる、1GHz以下のいわゆる「プラチナバンド」。そのプラチナバンドを唯一持っていなかった楽天モバイルも、2023年に新たな700MHz帯の免許が割り当てられたことで、プラチナバンドを扱えるようになりました。

総務省に提出した開設計画では、その700MHz帯によるサービスを2026年3月に開始するとしていた楽天モバイル。ですが、同社は2024年6月27日に記者発表会を実施し、同日から700MHz帯によるサービスの提供を開始したことを明らかにしています。

楽天モバイルにとっては念願のプラチナバンドということもあって、会場には楽天モバイル代表取締役会長の三木谷浩史氏が登壇。派手な演出とともにサービス開始を祝うなど、プラチナバンドによるサービスを開始したことを積極的にアピールしていました。

もちろん、携帯電話会社にとってプラチナバンドは非常に重要な帯域であり、かつてプラチナバンドを持っていなかったソフトバンク(当時はソフトバンクモバイル)も、その免許割り当てや活用に際しては大規模なアピールを実施していました。そうしたことを考えれば、プラチナバンドの活用を前倒しで始めた楽天モバイルが、サービス開始を積極的にアピールしたいことはよく理解できます。

ですが、発表会における三木谷氏をはじめとした楽天モバイル側の説明、そして今回割り当てられた700MHz帯の特性を考えると、同社のプラチナバンド活用は他社とは違い、かなり限定的なものになる可能性が高いのでは?という印象を受けます。消費者から見ると、楽天モバイルがプラチナバンドを使い始めたことでエリアが大幅に広がることが期待されますが、過度な期待は禁物だと筆者は考えます。
楽天モバイルの700MHz帯は癖が非常に強い

その最大の理由は、楽天モバイルに割り当てられた700MHz帯がかなり癖のある帯域だということ。なぜならこの帯域は、もともと他の3社に割り当てられた700MHz帯と、使用する周波数が隣接する地上テレビ放送や特定ラジオマイクなどとの干渉を避けるために空けていたもの。さまざまな調整の末、携帯電話向けとして使えるようにはなりましたが、帯域幅が3MHzと非常に狭いのです。

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