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アクセルスペース、宇宙用コンポーネントの軌道上実証サービスの提供を開始

マイナビニュース / 2024年7月18日 6時55分

さらに、コンポーネントの開発に際しては、AL Labサービスの予約受付、契約後のステータス管理、軌道投入後のオペレーション管理が可能なクラウドサービス「AxelLiner Terminal」が提供されるほか、衛星バスの機能を模擬するエミュレータも提供され、コンポーネントと同社の汎用衛星バスとの接続テストなどを顧客だけで行うことも可能としている。

これら基本的なサービスに加え、多数のオプションも用意。例えば、実証機器の様子を衛星に搭載したカメラで動画/静止画で撮影したり、任意のポイントの温度計測などの実施といった軌道上でのサービスのほか、認証取得に必要となる実証機器の軌道上でのデータ提供、同社エンジニアによる軌道上の動作実績レポートをもとにしたレビューの提供、TRL(Technology Readiness Level、技術成熟度)7ないし9相当の軌道上テスト項目の提供ならびにクリア時における動作結果と証明書の発行などが予定されており、中でもTRL9の証明書を取得したコンポーネントについては、将来、同社の小型衛星での活用も検討していくとしている。

第1号案件はASPINAのリアクションホイール

同サービス適用の第一号案件としては、2020年より同社とリアクションホイールの共同開発を進めてきたASPINA(シナノケンシ)がすでに決定済み。同案件は、これまでの共同開発の延長線という意味合いもあり、リアクションホイールそのものの性能評価に加えて、AL Labのサービスそのものの実証という意味合いも込められているとする。

同社代表取締役社長である金子行宏氏は、今回の取り組みについて「リアクションホイールを開発するにあたって課題となったのは、技術の成熟度を高めていくことが必要とされる一方、実際に宇宙の軌道上で実証する機会が限られているという点。新規参入の企業としては、こうしたジレンマを抱えることとなり、実際にASPINAとして営業を行っても、実証結果がないと言われてしまったこともある」と、宇宙産業への新規参入する企業としてのジレンマを身をもって体感したことを強調。AL Labは、そうした実証の機会を得られる取り組みであり、この取り組みを活用することで、早期の実証と販売の拡大につながることが期待できるとしている。ちなみに、現在、共同開発が進むリアクションホイールは完成に向けた大詰めを迎えており、2024年9月に地上実証品が完成予定、同12月には製品としての開発が完了する予定としている。

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