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エンタープライズIT新潮流 第31回 ドリルを買いにきた人が本当に欲しいは何だ? - 心に響く製品の説明とは

マイナビニュース / 2024年7月22日 9時0分

さらに言うと、ドリルを買いに来た人がなんのために「穴を空ける」のか、その目的を探ることも大事です。それは、絵を飾るためなのか、家具を作るためなのか、はたまた、もしかしたら穴空けオタクなのか、です。目的を的確にとらえて提案すれば自社のソリューションが数あるものの中から選択される可能性が高まります。

○ソリューションがもたらすビジネス利点とビジネス価値

IT業界の仕事は、お客様のビジネス課題をITの力で解決することです。これをソリューションと言います。でも、ソリューションを製品と同じレベルで使っているケースも本当に多いですね。何かを解決するという意味の「Solve」の名詞が、「Solution」ですよ。そう、解決することです。そして、ソリューションの結果は、ビジネス利点やビジネス価値になります。ビジネス利点とビジネス価値を正確に理解することもお願いします。

ビジネス利点とは、ソリューションによって起きた変化の結果として顧客がビジネスで達成できることです。狭義では、製品が提供する機能がワークすることによって、顧客がビジネスで達成できること。価値を達成するためのプロセスにおけるイネーブラーであります。

ビジネス価値とは、顧客が経験するベネフィットであり、喜んで支払うもの・こと。ターゲットオーディエンスが届けるもの・ことです。本質的に意味するのは、「お金に見合う価値」、すなわち、受け取る商品やサービスや製品が、それらを得るために費やした時間、コスト、労力に見合うものです。

流れは次の通りです。製品が提供する機能から始まり、それによって業務の課題を解決して、その結果ビジネスで達成できることが、ビジネス利点です。ビジネス利点から得る財務的または非財務的な価値が、ビジネス価値になります。

繰り返しますが、ITベンダーの方やB to Bビジネスに関わる方は、お客様の目的を把握し、そのビジネス課題を認識して、どう解決するか。そして、その結果、どのようなビジネス利点とビジネス価値が生まれるかを説明すべきなのです。
○デザイン思考で顧客を分析する

しかし、この考え方だけでは現在のビジネス環境では不十分です。さまざまな業界でデザイン思考が浸透してきていますが、それに伴い「経験」(Experience)という考え方がますます重視されます。場合によっては、アフターサービスを組み合わせた一連の流れの中での経験を提案する必要があるということです。近年は特に、サービタイゼーションという考え方で、サービスで利益を高めるという考え方が主流にもなっているようです。

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