土屋鞄のランドセル、こだわりは「大人用カバンと同じ目線」 - 西新井工房を見学してきた
マイナビニュース / 2024年7月29日 17時36分
土屋鞄で人気があるのは、かぶせ裏に華やかなアートがデザインされた「アトリエ」シリーズ。この2~3年はファッションブランド「ミナ ペルホネン」とコラボしており、とくに女の子はこれを見ると駆け寄ってくるそうだ。
ちなみに、近年女の子に人気のカラーは、定番のレッド、ブラウンのほか、ピンク系、パープル系、水色系など。男の子はブラック、ブラウンのほか、グレー系、ブルー系が好まれているという。
○現代に合わせたアップデート
伝統的なスタイルと品格のあるデザインを踏襲しながらも、学習教材への対応、使いやすさへの工夫など、細かな点は日々アップデートされている。
例えばサイズの変更。教科書やノートがA4サイズに変化したこと、GIGAスクール構想でタブレット端末の持ち運びが一般的になったことなどを受け、速やかにランドセルをサイズアップしている。
土屋鞄と言えば皮革素材が思い浮かぶが、近年のサイズアップに伴い重さや背負い心地が変わったことを受け、軽量化への取り組みも進めているそうだ。現在は天然皮革と人工皮革の比率は半々くらいになっており、背中のアテによりクッション性の高いものを採用したり、左右に動く背カンを導入したりして、重量感を軽減する工夫も行われている。
また一部のモデルでは、かぶせ裏にある時間割入れがなくなった。これは昨今の小学校では一週間の時間割が固定されていないことが多く、時間割自体がタブレットにデータで送られてきたり、クリアファイルに入れて使い分ける子どもが多かったりするためだという。また前ポケットを大きくしてマチ付きにしたり、ポケットの中にポケットの中に、家の鍵などを取り付けられる金具が追加されたりもしている。
○子どもたちの元にランドセルが届くまで
土屋鞄のランドセルは全部で150以上ものパーツの組み合わせでできている。細かく見ると300を超える工程があるが、大きく分けると10工程に分かれるという。
1工程目は「革の型入れ」だ。選び抜いた素材を一枚一枚じっくり吟味し、革の質やクセを見極めるところから始まる。革の傷は丁寧にマーキングされ、革の弱い部分を避け、強い部分を使うことで丈夫なランドセルになるわけだ。
2工程目は「革の裁断」。抜き型を置き、25トンの圧力をかけられるプレス機で革を裁断していく。キズやシワを避けながら裁っていくため、一枚の皮がそのまますべて使われることはない。
3工程目は「のり塗り」。はけを使ってのりを丁寧に塗り、素材同士を貼り合わせる。正確性と速度が同時に求められる作業だ。ここで貼り付けた上からミシンをかけ、より丈夫なパーツを作っていく。
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