住宅ローン金利はいつ、どのくらい上がる? 日銀利上げで「変動金利0.5%前後、固定金利2%超え」の可能性
マイナビニュース / 2024年7月24日 14時5分
政策金利と所定内給与(パートタイマーも含めた基本給)と物価上昇率(除く生鮮食品)を示したグラフを見ると、5月時点で所定内給与は2.5%、この夏の統計では3%近くになる見込みだ。正社員に限ると、5月時点ですでに3%近くまで上がっており、夏には3%半ばまで上がるという。
「ここまで賃金と物価の上昇率があれば、多少景気が弱いとしても、利上げは正当化される」と藤代氏は話す。ただし、その後利上げがどんどん行われるかというと、全くそうではないと予想する。
日本は物価は高いものの消費がマイナスであり、景気を冷やすために利上げをする理由はないからだ。そのため、利上げは1回、2回、または3回程度は行われる可能性はあるものの、大幅な利上げはなく、来年の春くらいに0.5〜0.75%程度の利上げでストップするというのが藤代氏の見通しだ。
ただその一方で、通貨価値がさらに下落し、1ドル170円という水準まで行くと、日銀は足元の景気の弱さの原因を円安または物価上昇に求め、積極的な利上げを行うシナリオも考えられなくはないという。
■利上げでも新規向けの貸出金利はわずかな上昇幅に
では、日銀の利上げ見通しを踏まえ、住宅ローン金利は今後どうなるのだろうか。住宅ローンの金利は、基準金利から引き下げ幅を引いて適用金利が決まるため、基準金利が上がるとそれに準じて適用金利も上がる。また、基準金利は「短期プライムレート(短プラ)」という法人融資向けの指標と連動させると決めている銀行が多くある。
政策金利・短プラの過去の動きと今後の予測は、以下の図の通り。
過去の動きから推測すると、仮にこの7月末に政策金利が0.0%〜0.1%から0.25%に上がった場合、短プラは1.475%から1.625%へと0.15%上昇するだろうと考えられる。
ただし、利上げが実施されたとしても新規向けの貸出金利は0.05〜0.1%程度のわずかな上昇幅に留まるとみられる。これは新規ユーザーの獲得のためであり、たとえば前出の住信SBIネット銀行は基準金利こそ0.1%上げているが、適用金利は0.01%の引き上げに留めている。
他行もこうした動きに追随すれば、新規向けの貸出金利はそこまで上がらない可能性も充分にある。
■7月または9月の利上げにより金利は上昇する見立て
仮に7月に利上げが実施された場合、タイムラグにより1ヶ月程度遅れて8月末または9月に短プラと住宅ローンの基準金利上昇が観測される見通しだ。
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