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「子持ち様」批判をストップ! 対立を生まない職場の作り方

マイナビニュース / 2024年7月30日 7時10分

管理職としては、代わりに残業する社員、代わりに出社を増やす社員に対して感謝の気持ちを丁寧に伝え、休めるときに休んでもらえるよう声をかけることも忘れない。

その上で、同社では社内に"お互い様"の精神を徹底させていった。もちろん、誰もが『子育て』をする時代ではない。しかし、そこに『親の介護』なども含めて考えてもらうようにしたという。

「親を介護しなければいけない、といったタイミングは、この先きっと多くの社員に訪れることでしょう。そう考えると、誰かに助けてもらいたい時期は順番に巡ってくるもの。お互い様だから、ととらえることができる。そこまで想像した上で、いまは気持ちよく同僚を助ける、ということですね」(小山氏)。

○■全社員が取得できる制度を整備

実際に、育休制度を利用したことがある人事部の神原学氏は「それまで自分がやっていた業務を、そのまま同僚が引き継いでくれた。これは、想像しただけでもすごいことです」とあらためて当時を振り返る。

「復職したとき、恩返しといいますか『サポートしてもらった分まで頑張ろう』と素直に思える自分がいました。私の周りにも、同じく育休を経て復職したときに、同様の感情を抱いた同僚が多くいるようです」と神原氏。

この"お互い様"と思いやれる職場の雰囲気は、時間をかけて醸成していったという。小山氏は「職場に女性が増えたこと、その中で子育てをする社員が増えたこと、またマネジャーの心配りと、試行錯誤を繰り返して少しずつ文化を作っていきました」と話す。

同社では人事部が管理職クラスと定期的に1on1を実施し、社内の風通しを良くすることで個人の不満がたまらないような工夫もしてきた。

このほか社内で対立を起こさないための工夫として、基本的に誰しもが平等に取得できる制度を認めている。

「私が入社したての頃は、それこそ子育て中の社員しか取れない制度もありました。現在は、働き方の選択肢を増やすための制度として、テレワーク、時差出勤、時間有休制度、プレミアムワンアワーなどを用意しています。いずれも子育てをしている、していないに関わらず、全社員が利用できる制度です」と小山氏。

神原氏も「働く場所や時間に融通が利く社内制度がたくさんあるので、子どもがいる身にも助かっています。例えばプレミアムワンアワーなら、定時を1時間早めることができます。これは子育ても介護もしていない社員にとっても、新しいライフスタイルを実現する制度です。皆さん早めに退社して語学学校に通ったり、趣味を充実させたり、と活用しているのを見かけます」と紹介する。

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