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昭和に取り残された中小企業を救ったkintone、夢の国をまねた『入り口は一つ作戦』

マイナビニュース / 2024年7月26日 11時0分

画像提供:マイナビニュース

サイボウズはこのほど、同社が提供する「kintone(キントーン)」のユーザーイベント「kintone hive(キントーンハイブ)」をZepp名古屋で開催した。kintone hiveは、kintoneの活用アイデアをユーザー同士で共有するライブイベントで、企業や団体が活用ノウハウをプレゼン形式で発表する場だ。イベントの様子はこちらの記事で紹介している。

2024年の「kintone hive」は広島、札幌、福岡、大阪、名古屋、東京の6カ所で開催された。本稿では、名古屋会場で最も注目を集めた桜和設備のkintone活用事例を紹介しよう。プレゼンのタイトルにもなった『ひょんなことから始まる夢物語』とは、いったいどのような内容なのだろうか。

“昭和94年目”に突入していたアナログ企業

名古屋市に本社を置く桜和設備は1972年に設立。主にガス設備工事の設計・施工などを手掛けており、従業員100人(2024年6月現在)を抱える中小企業だ。主な施工実績として、名古屋港水族館やモード学園スパイラルタワーの都市ガス配管工事などが挙げられる。東邦ガスグループ関連の受注が全体の8割を超えるという。

kintone hiveに登壇した清水敦さんは、40年間ガス工事の現場監理一筋の大ベテラン。名古屋生まれ名古屋育ちの62歳で、東京ディズニーリゾートの大ファンだ。現在はガス工事の安全品質管理に加え、kintoneを含む業務管理も担当しているが、システム開発の経験や知識は一切ないという。

kintone導入前の桜和設備は、昭和からの伝統を引き継いだアナログな会社だった。伝票類は紙・手書きで記入。情報は正確に共有されていなかったため、重複している作業は山のようにあった。

手描きの伝票を見ながらExcelに入力したり、そのExcelをまた印刷したりといったような無駄な作業も多かった。清水さんは「桜和設備は、平成や令和を迎えることなく、昭和94年目に突入していた」と苦笑いで振り返った。

kintone導入を拒む2つの存在

そうした旧態依然とした状態の改善が進まなかったのは、大きく分けて2つの存在があったからだ。1つ目の存在が、伝統文化の継承を重んじて、先輩の教えを守り続けようとする人たち。そしてもう1つが「Excelを複雑かつ巧みに操り、自分にしか分からない方法で仕事をこなす『Exceler(エクセラー)』の存在」(清水さん)だったという。桜和設備の環境は、属人化の温床になっていた。

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