1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

昭和に取り残された中小企業を救ったkintone、夢の国をまねた『入り口は一つ作戦』

マイナビニュース / 2024年7月26日 11時0分

kintoneを導入したきっかけはあるひょんな出来事だった。2020年6月、Excelで管理していた引込管工事の管理シートが修理不能になってしまった。偶然居合わせた普段から付き合いのある富士フイルムビジネスイノベーションジャパンの担当者に「助けて」と懇願したところ、kintoneを紹介された。

同社にわずか2カ月でkintone版の引込管工事管理アプリを作ってもらったことを契機として、まずはガス事業部内でkintoneを導入することが決定した。発注業務や売上進歩、メーター管理など主要な7つの業務をkintoneでアプリ化し、運用を始めた。

しかし、kintone導入後に新たな壁が立ちはだかる。新しいことを始めるとき、否定派が一定数いるのは世の常だろう。桜和設備の場合、伝統文化人とExcelerが否定派にあたる。

伝統文化人からは「今までの運用のままでいいんじゃないですか。失敗しませんか」と疑われ、また、Excelerは「私はkintoneを使いません。Excelを使います」と自信満々に言い放った。

それでも清水さんは諦めなった。「この否定派の人たちを含めて全社員を巻き込まなければ、桜和設備は変わることはできない」ーー。とにかく、kintoneの使いやすさや、分かりやすさを伝える必要がある。清水さんはある作戦を思いついた。
夢の国をイメージした「入り口は一つ作戦」

名付けて「入り口は一つ作戦」。

この作戦の内容はシンプルで、基本マスタ上にすべてのアプリが連携された状態で表示できるようにした。具体的には、「入り口」となって氏名や社員番号といった基本的な情報を入力する工事基本マスタを作成し、そこからそれぞれのアプリに飛ばせるような仕組みを構築した。「全体をネットワーク化することで、うまく稼働すると考えた」(清水さん)

加えて、関連レコード一覧を基本マスタに並べて表示することで「現場で今何が起きているのか、何ができていないのか、誰がやっているのか、いつやったのかが分かり、現場のストーリーが可視化できるようになった」という。

この構造は、実際に存在するある場所と似ている。清水さんがよく行く東京ディズニーリゾートのテーマパークだ。「夢の国は、それぞれのパークがストーリー性をもって作られているが入り口は一つだ。当社のシステムも同じ入り口から社員を迎え入れることで、現場のストーリーが始まる」と清水さんは語った。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください