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ロボットのセキュアな未来に向けて、サイバーセキュリティが果たす役割

マイナビニュース / 2024年8月1日 7時30分

画像提供:マイナビニュース

はじめに

インダストリ4.0の中心にあるのは、ファクトリ・オートメーション(FA)です。そのため、インダストリ4.0の実現を目指す上ではロボットの存在が重要になります。つまり、組み立て作業などを担うロボットや、自律走行搬送ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)、協働ロボット(コボット)など、産業用のロボット全般が重要な役割を担うということです。実際、現在のロボットはよりスマートで協調的なものになっています。しかも、人間の介入の有無にかかわらず複雑な作業をこなせるようになりつつあります。そのようにしてロボットの利用が拡大した結果、オートメーションのレベルは大きく向上しました。それに伴い、ロボットを制御するシステム(ロボット制御システム)の安全性とセキュリティの強化も強く求められるようになりました。

当初、ロボットは主に工場の製造フロアで使用されるものでした。それが現在では、医療、軍事、物流、農業といった様々な分野で活用されるようになっています。安全性とセキュリティは、10年ほど前と比べてはるかに重視されるようになりました。事故を完全に防止するのは難しいでしょうが、悪意ある攻撃は阻止できるようにしなければなりません。悪意を持った人にロボットが乗っ取られ、自由に制御されるようなことがあれば致命的です。それにより、経済的/財政的な面で深刻な事態に陥る可能性もあります。
ロボット制御システムが抱えるセキュリティ上のリスク

まずは図1をご覧ください。これは、ロボット制御システムが抱えるセキュリティ上のリスクについてまとめたものです。これらの要因により、ロボット制御システムは悪意ある攻撃にさらされる可能性があります1。

続いて、表1をご覧ください。これはいくつかの懸念事項の概要を示したものです。

産業/ロボット向けの法令、サイバー・レジリエンスと安全対策の強化を後押し

サイバーセキュリティを取り巻く状況は急速に変化しています。産業分野やロボットの分野を対象とした規制や法令が増えていることも、そうした変化の1つです。現在では、サイバーセキュリティを対象とした法律も少なくありません。代表的なものとしては、EUのサイバーセキュリティ法(EU Cybersecurity Act)やサイバー・レジリエンス法(EU Cyber Resilience Act)、米国の重要インフラ向けサイバー・インシデント報告法(U.S. Cyber Incident Reporting for Critical Infrastructures Act)が挙げられます。中国やインドでも新たな規制や法令が誕生しています。米国立標準技術研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology)のOTセキュリティ・ガイド(Guide to Operational Technology(OT) Security)やIEC 62443のような規格は、技術企業にとっての指針になります。セキュア・バイ・デザインのアプローチを採用すれば、サイバー攻撃に対してレジリエントな制御システムを開発することができます。
IEC 62443が定めるIACSの要件

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