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AIによってコンタクトセンターはどう変わるのか? 第4回 CX重視のコンタクトセンター用AIボイスボット実現に向け越えるべき壁とは

マイナビニュース / 2024年8月13日 11時0分

画像提供:マイナビニュース

ボイスボットとチャットボットの併用で複雑な会話が可能になる

ボイスボットを導入することにより、コンタクトセンターでオペレーターが受けるコール数を削減できれば、コンタクトセンター業務の効率化だけでなく、機会損失の回避や顧客満足度の向上が期待できます。ただし、それを達成するまでには、いくつか乗り越えなければならない壁があります。
1つ目の壁:複雑な質問への対応はAIには難しい

1つ目の壁は、複雑な質問に対応することは、AIにとって難しいということです。ボイスボットは、顧客からの質問をテキスト化する「音声認識」と、適切な回答を導き出すために質問の意図を理解する「自然言語処理」、そして回答を音声で読み上げる「音声合成」という3つの技術の組み合わせで成り立っています。しかし、現実問題、複雑な質問に直面すると、最初の音声認識の部分でつまずいてしまうのです。
2つ目の壁:技術的に実現できる範囲を優先してシナリオを作ってしまう

2つ目の壁は、1つ目の壁の延長としてCXの視点よりも技術的に実現できる範囲を優先してシナリオを作ってしまうことです。

例えば、レストランの予約において、「予約の日時をお知らせ下さい」というAIの問いに対し、人間が店舗名を先に発話したり、余計な発話をしたりすると「認識できませんでした。もう一度お願いします」と返すことがあります。それを改善して複数の情報を聞き取ってくれるAIもなかにはありますが、この聞き返されるという行為は顧客とって心地の良いものではありません。

このような事態が起こらないように会話のシナリオデザインを工夫するのですが、ここでコンタクトセンターとしてのCXの考え方と、コンタクトセンター業界のCXを理解していないAIベンダーとしての解決策にギャップが発生することが多く見受けられます。

CX観点ではこうしたいが、技術的にはこの方法しかできないなど、妥協せざる得ない状況も発生します。コンタクトセンターにおけるCXの視点と、AIやITを理解している人材がいるかいないかで、ボイスボットのクオリティが左右されると言っても過言ではありません。
3つ目の壁:固有名詞の言語認識率の低さ

3つ目の壁は、日本語の固有名詞の言語認識率です。AIの認識精度として、一般的な人名や地名などは問題ありませんが、珍しい氏名や英語、フランス語などのカタカナの建物名などは認識が難しくなります。

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