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電力クライシスに備えよ! 世界の潮流から読み解くデータセンターの今 第4回 世界的なAI活用で変革を迫られるデータセンターの電力調達戦略

マイナビニュース / 2024年9月9日 7時0分

Facebookの要望に応え20GWh規模の太陽光発電PPAを締結したDIGITAL REALTY

一方、同じく世界35の市場で210を超えるデータセンターを展開しコロケーションサービスを提供しているDIGITAL REALTYは、長期的な目標として全ての顧客に再生可能エネルギー100%でサービスを提供できる状態を目指しており、その初期段階としてまず米国内のコロケーション・通信サービスについて再生可能エネルギー100%とすることを目標としたプロジェクトでシュナイダーがサポートを行った。

DIGITAL REALTYに対して最もリターンが大きなプロジェクトを特定するために、シュナイダーは幅広い風力発電プロジェクトの評価を行い、データセンターが位置する地域と同一系統にあるプロジェクトを選定するなどのアドバイザリーサービスを提供した。他にも、太陽光発電を含む複数のオフサイトPPAの契約を提案し、経済・リスク評価を支援しており、最終的に米国内の4つの州において、5つのPPA契約の締結をサポートした。こうした取り組みによって、DIGITAL REALTYは毎年太陽光発電で70GWh、風力発電で275GWhを調達している。

さらに、最近ではもっと直接的に顧客の要望に応えて実施した再エネ電力調達の例がある。Facebook(Meta社)は当時、2020年までにデータセンターおよびオフィスの電力を100%再生可能エネルギーで賄う目標を掲げ、自らにファシリティを提供する企業に対しても、100%再生可能エネルギーの使用を要求した。DIGITAL REALTYはこれに応じる形で、Facebookが使用する電力を賄うべく、毎年約20GWh規模の太陽光発電のオフサイトPPAを締結した。このプロジェクトでもシュナイダーはアドバイザリーを提供したが、ここで重要な点は、顧客が再エネを求めた際の即時対応力だったといえるかもしれない。
戦略立案から電力購入、使用効率の改善まで……幅広い視点が必要となるサステナブルデータセンター

こうした例からもわかるように、データセンターを使う側においてクリーンな電力調達は当然のことになりつつあり、ユーザー側が主導権を握っている。データセンターにとって、もはや調達面の戦略を立てないという選択肢は存在しない。しかし、電力購入契約にあたっては、市場のトレンドや世界各国のエネルギー戦略、様々な規制や制度、財務会計面の知見など、ありとあらゆるノウハウ、知見が求められる。だからこそ、戦略的な電力の調達においては、グローバルな視点を持つアドバイザーの存在が重要となる。

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