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労働⼈⼝激減の時代だからこそ究極の属⼈化 第2回 究極の属人化に求められる転職マッチング時の「質」

マイナビニュース / 2024年7月31日 17時42分

その思考から考えて、「実は理系では?」と尋ねると、「実は高校生まで理系クラスだったが大学でもフィギュアスケートに専念したいと考え、比較的時間に余裕を生むことができる文系学部を選択した」という新しい情報が得られた。そこで、本人が検討したこともなかったMicrosoftやNTTデータなどのIT企業を紹介し、文系学生でも新卒でSlerなどにチャレンジしてみることを提案した。

例2:求職者と経営者の価値観や思考を照合する

体育会系のパワフルな営業で4社を経験したという社員。成果は出るが、組織の課題発生時などの局面で本人と上司の意見が合わないといった課題が発生し、結果的に転職回数が多くなっていた。しかし話をすると、非常に穏やかで冷静でロジカル。本が好きで、学生時代から社会への貢献意欲が強くボランティアを重ねているなど、行動力以上に思慮深く利他的な人物であることが分かった。

何も考えずに転職を重ねたとは到底思えなかった。そこで、本人の価値観に合うサスティナブル業界で、かつ求職者と同じ大学(某旧帝大)出身の経営者の会社を紹介。今では営業部長として転職し大活躍中。
非認知を認知せよ!人間だから引き出せる要素

ここまで紹介してきたように、転職マッチング時の質とは、言語化しにくく非認知的な要素を指します。一人一人には語り尽くせない人生があり、ほんの数分で分かるわけがありません。同じ経験をしても、感じることも行き着く価値観も違います。最近はAIのようなテクノロジーの発展により、データ分析や予測技術によって効率的に求職者を立体化できるようになってきましたが、それでも過去のデータではすくいきれないほど、人の人生は十人十色なのです。限られた面談時間の中では、対話の切り口が違うだけでも人物像は随分と変わります。

私たちはテクノロジーに感謝しながらも、その人の見えない部分に目を凝らし、年収やスキルだけではなく、心の機微のような部分でも働きやすく活躍しやすい企業とのマッチングを図らなければなりません。人生100年時代、働く期間が長くなり、転職が当たり前となる中で、子育てや介護を優先すべきライフステージの変化、学び・チャレンジなど、仕事に求めるものも多様化しています。

就職や転職においても、一人一人が唯一無二であると考え、それを丁寧に知り活躍の場に導くことが、労働人口減の今こそ必要です。転職における質には、人が介在することでしか実現できないことがまだまだ多く存在するのです。
テクノロジーに甘んじていないか

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