1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「藤井聡太を倒したい!」J:COM杯 3月のライオン子ども将棋大会 東北大会レポート

マイナビニュース / 2024年8月1日 20時31分

一方で、将棋は必ずしもプロを目指してストイックに取り組まなければいけないものではありません。現将棋連盟会長の羽生善治九段は将棋のいいところとして、年齢問わず遊べること、一度覚えれば一生のうちでいつでも楽しめることという2点を挙げていました。つまり、将棋を覚えることはいつでも、だれとでも楽しめるコミュニケーションツールを手に入れることになるのです。そこで大切になってくるのが「交流クラス」のように将棋を楽しむ場の存在。棋力は低くても将棋を通じて交流できる場があることで、将棋のすそ野は広がっていきます。

J:COMの田口常務執行役員は「全国クラスで頑張る子どもはもちろんですが、この交流クラスに参加する子どもも増やしていきたい」と語っていました。強くなければ将棋ができないというのでは、将棋界は縮小してしまいます。むしろ負けても楽しかったと思ってくれる人を増やすことが大切で、そうすれば将棋の輪はどんどん広がっていくことでしょう。

交流クラスに参加した2人の女の子にも、話を聞くことができました。「岩手から来ました。楽しかったのでまた来年も出たいです」「将棋の目標は初段。好きな棋士は深浦先生、顔が好き」と笑顔で答えてくれました。将棋を心から楽しんでいる様子が伝わってきて、話を聞いていてうれしくなりました。

また、対局の合間にはゲスト棋士との記念撮影会や付き添いの方も参加できる親善対局スペースなど、将棋を楽しむさまざまな工夫がなされていました。

○「藤井聡太を倒したい!」

そしてトーナメント戦もいよいよ大詰めです。ベスト4までくると将棋のレベルもぐんと高くなります。アマチュア四段、五段の中学生が居並ぶ中で、一人奮闘している小学生がいましたが、惜しくもこの準決勝で敗退となりました。しかし、ここまで勝ち上がっただけでも立派です。対局後に話を聞いたところ「将来は棋士になって藤井聡太を倒したい!」という力強い言葉が返ってきました。何年か後に棋士になって藤井聡太竜王・名人に挑戦しているかもしれません。今から楽しみです。

あとは決勝戦を残すのみ。最後は中学生同士の対決となりました。決勝は壇上で行われ、その横で棋士が大盤を使って解説します。プロの「将棋日本シリーズJTプロ公式戦」で採用されているスタイルで、緊張感が高まります。残っていた選手や保護者の方も観客として対局を見守る中、最後の対局が始まりました。

戦型は角換わりというプロの間でも流行している形に進みます。後手番の三浦寛人君が中盤でややリードを奪いますが、先手番の遠藤大暉君も粘って、一進一退の終盤戦に。お互いに時間がない中でも好手の応酬が続き、解説の先崎九段も「プロの将棋と言われても不思議でないほどレベルが高い」と絶賛するほどの攻防が続きました。遠藤君がかなり追い込みましたが、最後は三浦君が逃げ切って勝ちとなりました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください