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トヨタ「ランクル70」はファッション感覚で乗れる? 昭和男からの忠告

マイナビニュース / 2024年8月20日 11時30分

河川敷に降りてトランスファーレバーを4WDに入れると、アナログ式メーターには緑色で控えめな表示が小さく点灯。大きな液晶画面で「これでもか!」とモード表示をアピールする最近のクルマとは違うが、これも質実剛健な昭和のエンタメである。

悪路走破性については言うことなしだ。ステアリングコラム脇のデフロックスイッチだけでなく、レバーの上側には2速スタート、パワーホールド、ダウンヒルアシスト、アクティブトラクションコントロールのオン/オフといった電制スイッチがそろっている。

といっても、オフロードでボンネットを透かして路面状況を見るような最新のデバイスは付いていないので、過酷な道に挑む際はボンネット先端の「ガッツミラー」と呼ばれる2面式の補助ミラーで前方直下と助手席下を確認するか、降りて目視で確かめるか、とにかく肉体を使って状況を乗り切っていく必要がある。一方、後方についてはバックモニターを装着していて、ギアを「R」に入れるとバックミラーに映像が映し出される。

砂利と石の河原は思いのほか平らだったので、その能力を十分に体験することはできなかったのだが、本格SUVに乗っているという安心感は絶大なものがある。ちょっとした岩場を通過するときにステアリングに伝わってくる路面からのキックバックだったり、リーフリジッドサスとラダーフレームに乗るボディが上下左右に大きく揺すられたりするのは、クルマが路面状況を正確にドライバーに伝えている証拠。それに対応できる操作をドライバーに要求していると考えればいい。これがあるから、ランクル70は世界中のハードな環境で生き残ってきたし、今でもそれが求め続けられているのだろう。

空気抵抗が大きそうな四角いボディ、汚れが気にならない質素な樹脂内装、手袋をはめていても調節できる空調レバー、引き出し式のロッドアンテナ、床面は高くてもたくさんの荷物が積み込める四角いラゲッジなど、変わる必要のないところは全く変わっていない。

昭和レトロでプリミティブだけど、走行性能は世界で折り紙つきのランクル70。490万円でこれだけ楽しめるクルマはそうそうない。今から2年待っても、その価値が古臭くなることはないのだ。

原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら
(原アキラ)



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