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音楽フェスで「ネット繋がらない」問題に挑むau。ロッキン'24で増強の中身を見た

マイナビニュース / 2024年8月8日 9時0分

また、飲食エリアなどに「新狭域AP(アクセスポイント)」を新たに19台設置。このアクセスポイントはWi-Fi6(ワイファイシックス)をサポートしており、従来のWi-Fi5(ワイファイファイブ)よりもデータ利用効率を最大化して通信の低速化を防ぎつつ、容量チャネルを増やすことで高速化も実現します。

一方、車載型基地局はステージなど広範囲を安定してカバーできるようにし、データ通信時だけでなく音声通話時の品質も確保。会場内に詰めているKDDIの技術者が、刻々と変わる混雑状況をリアルタイムでチェックして対策を自動化し、対応時間を大幅に縮めているそうです。

今年の追加対策としては、混雑するイベント会場でもネットワークの容量を拡大し、ビームフォーミングも使って快適な通信環境を実現する「Massive MIMO」(マッシブ・マイモ)と呼ばれる技術を投入。飲食エリアやステージ側などで、対応するスマートフォンとの間の通信高速化を図っています。また、既存局に3.7GHz帯の周波数を追加することによって、通信容量も昨年比1.6倍に引き上げました。

今回の取材では、ROCK IN JAPAN FESTIVALの運営担当者に話を聞くこともできました。

初日を終え、2日目を迎えた時点で主催サイドに届いた「通信環境へのクレーム」は2件しかなく、担当者は「(ここまで減らせたのは)史上初。当初からの目標を達成でき、いよいよここまで来れたかという感触を持てました」と、大きな手応えを感じた様子。

RIJFでは参加者の意見を吸い上げる「一言アンケート」という仕組みを設けており、2022年は「ネットが繋がらないのでどうにかして欲しい」という声が相当数届いていたそうですが、この2年で会場の通信環境が劇的に改善したことがうかがえます。「会場で友人や家族とはぐれたらもう会えなくなる」という不幸なトラブルも減ったことでしょう。

RIJFの運営担当者はまた、「携帯各キャリアの移動基地局車を入れて電波状況を改善しつつ、会場のフリーWi-Fiをできるだけ活用してもらうことで膨大な通信をそこに流し、Starlinkで処理したかった。その2つが完全に噛み合いました」とも話していて、このような通信環境の改善はStarlinkなしでは実現できなかったと振り返っていました。

一般的に、携帯回線に依らないWi-Fi環境を作るのであれば固定回線(光回線)を引く必要があります。しかし数千人が同時に使うWi-Fiを仮設で、しかも短い期間限定で、光回線を使って構築するというのはあらゆる面において現実的ではありません。

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