1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

腸の不調を放置していると産まれてくる子どもの学習能力にも影響? 「腸活」最新研究でわかった母体と胎児の腸内微生物叢 の相関性

マイナビニュース / 2024年8月9日 10時30分

画像提供:マイナビニュース

女性の多くが便秘などで悩んでいるが、あなたの腸の不調が将来生まれる赤ちゃんの学習能力や集中力、運動能力、情緒、アレルギーや免疫に悪影響を与えるとしたら…? 昨今「腸活」がブームだがここ30年ほどの研究で、母親の「腸活」状態が、子どもの脳機能、免疫機能などにも関与することがわかってきた。なぜ母体の腸内細菌が赤ちゃんにまで影響を及ぼすのか。また母親はいつ頃からどんなものを食べればいいのか。そして産後は…?

女性、子どもたちの診療をしている赤坂ファミリークリニック院長の伊藤明子先生に聞いてきた。

○■お母さんの腸内細菌が子どもの免疫や学習能力、運動能力などに影響を与えるメカニズム

まず前提として、腸内細菌は私たち人間の健康全般に影響を持つ。およそ30年ほど前から活発に研究されていることであり、そのなかで妊婦においての腸内細菌と産まれてくる赤ちゃんの腸内細菌には相関関係があることがわかってきた。

「妊婦さんの健康状態そのものを形成するものの一つが腸内細菌。そしてお母さんが持つ腸内細菌は胎児の免疫や情緒、脳の機能、神経発達に強く影響していきます。では“いつ”それが赤ちゃんに触れるのか。その一つにタイミングは自然分娩、いわゆる経腟分娩の際。出産時に、赤ちゃんがお母さんの腸内細菌に曝露されます」(伊藤先生/以下同)

腸内細菌と一口にいうが、腸内にいるのは細菌だけではなくウイルスや菌もいるため、正確には「腸内微生物叢(そう)」と呼ぶ。そして妊娠時は非妊娠時の1.5倍の栄養を摂らなければならないが、多くの母親は十分な栄養を摂れていない。タンパク質をはじめ、ビタミン、ミネラル、食物繊維…それらが足りないだけで母親の腸内環境は乱れる。

「腸内には、あえて分けるならばいわゆる善玉菌と悪玉菌、そして環境によって善玉にも悪玉にもなりえる日和見菌(どっちつかず菌)がいますが、上記の栄養素が足りないだけでお母さんの腸内微生物叢は悪化。悪化すると腸内の微生物たちも悪玉化します。悪玉化すると微生物は生き物ですからさまざまな代謝物を分泌します。悪玉菌は私たちの体、心身に悪い影響を与えますし、逆に善玉菌は短鎖脂肪酸という私たちのからに役立つ代謝物を分泌します。これらが血液循環に乗り脳や全身へ。また血液以外のルート経路でも短鎖脂肪酸は影響するので、脳、皮膚、免疫の状況に確実な影響をもたらします」

そしてこれが出産時に赤ちゃんが母体と触れ合って受け取っていく。母体が食物繊維が少なく高脂肪食ばかり食べていると生まれた胎児の免疫、神経、発達、脳の機能にも影響する。このように「腸活」は健康な赤ちゃんを産む上で非常に重要なファクターなのだ。
○■社会だけではなく、「腸内の微生物」も「多様性」がキーワードに

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください