1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

国内最大級のRORO船や港の管制業務を見学 子どもたちが千葉港でプロの仕事に触れる

マイナビニュース / 2024年8月16日 16時24分

RORO船について説明を受けた後、参加者たちは2つの班に分かれて船内を見学した。「第六はる丸」の貨物倉は4層構造で、それぞれの層が立体駐車場のようにスロープでつながっている。最下層の第1層は自動車専用倉、その上の3層はシャーシ/自動車兼用倉で、それぞれ天井の高さが3メートル、4.3メートルと異なっている。

海上での大きな揺れに備え、車両を船に連結させる固定作業にもルールがあり、限られたスペースでなるべく多くの貨物を積むため、スロープ部分にもトレーラーシャーシや乗用車を積み込まれるという。

船の世界には明確な役割分担が存在し、積み下ろし作業は港湾運送事業者が担っている。この日は車両の積め込み作業や固定作業のデモンストレーションも行われた。
積み下ろし作業は通常6時間ほどで行われ、実際にはひっきりなしに車が入ってくるようなスピード感で作業が進むようだ。上甲板には換気のためのファンがあり、そこから貨物倉へ外気を送り込んでいるが、熱の籠りやすい船内空間での作業となる。

続いて見学者は船員やドライバーの部屋がある居住区を通過し、船を操縦する船橋・ブリッジへ。レーダーや電子海図「ECDIS」(エクディス)、船舶自動識別装置「AIS」について説明があった。

AISはすべての旅客船と国際航海に従事する300トン以上の船舶、国際航海に従事しない500トン以上の船舶に搭載が義務付けられている装置。船の大きさ、進行方向や速度といった情報を発信し、無線などを使わずとも相手船が自船の詳細な情報を把握しやすくする。
一般的な船は時速12ノット(1ノット=約1.8キロ)ほどだが、「第六はる丸」は外洋などでは時速20ノット以上のスピードで走ることができる。三浦半島と房総半島に挟まれた東京湾の「浦賀水道航路」は12ノット以下など、標識のない海上にも速度制限はあるようだ。
○■24時間365日稼働する港の管制室へ

一行は再びバスに乗車し、国際条約「SOLAS条約」(海上人命安全条約)で一般の立ち入りの制限がされた千葉中央ふ頭コンテナターミナル付近の区域を移動。中央ふ頭H岸壁にある千葉港信号所へと向かった。
東洋信号通信社は、船舶の航行の安全と港の効率的な活用のために設置されているポートラジオの運営事業を行っている会社。同事業を全国的に展開する日本唯一の会社として、港湾関係者の中では広く知られた存在だ。

1964年に初めて東京湾で開設され、現在は全国に広がったポートラジオは、関係各所から船の入出港の情報を収集し、その情報をもとに港の効率的な活用と船の安全な入港・出港をサポートすることが主な役割。
同社は全国の港湾管理者からその運営業務を受託し、1969年に千葉県が免許人となって開設された千葉ポートラジオも設置当初から同社が運営している。現在は12名の社員が2交代のシフト制で24時間365日の体制で働いているという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください