1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. モバイル・アプリ

【決算深読み】シャープ 2024年4月~6月決算は依然赤字、再建へブランド強化と新工場

マイナビニュース / 2024年8月13日 17時54分

ユニバーサルネットワークは、売上高が前年同期比19.5%増の785億円、営業利益は35.1%減の11億円となった。「テレビ事業は、市場が低調に推移するなか、国内では高付加価値モデルが好調であり、欧米でも前年実績を上回った。通信事業ではスマホの販売台数、金額ともに伸長した。しかし、円安によるマイナス影響が大きく大幅な減益になった」という。

一方、デバイス事業の売上高は前年同期比22.0%減の1986億円、営業利益は前年同期並みのマイナス152億円の赤字。そのうち、ディスプレイデバイスは、売上高が前年同期比26.9%減の1252億円、営業利益は前年同期のマイナス172億円の赤字に対して、マイナス171億円の赤字と若干の改善。「大型ディスプレイは増収となったが、PCやタブレット、スマホ向けなどの中小型ディスプレイが減収となった。また、大型ディスプレイの赤字は縮小。中小型ディスプレイの利益は悪化している」という。

エレクトロニックデバイスは、売上高が前年同期比11.9%減の733億円、営業利益は前年同期比7.9%減の19億円。「半導体レーザーは、車載向けに新規採用があったが、センサーモジュールの顧客需要が変動し、マイナスの影響となった」としている。

2024年度(2024年4月~2025年3月)連結業績予想は据え置き、売上高は前年比9.6%減の2兆1000億円、営業利益は100億円、経常利益も100億円と、いずれも黒字転換。当期純利益も50億円の黒字化を目指す計画に変更はない。

沖津社長兼CEOは、「第1四半期業績が想定通り進捗していることから、通期予想は据え置いた」とし、「シャープは、下期に売上高が上昇する傾向にある。デバイス事業も下期から受注があがることになる。第1四半期、第2四半期は厳しいと見ているが、第3四半期以降で挽回することになる」と述べた。

シャープでは、2027年度を最終年度とする中期経営方針において、2024年度を「構造改革」の1年と位置づけ、デバイス事業のアセットライト化と、ブランド事業に集中した事業構造の確立に取り組んでいる。その進捗状況についても説明。「中期経営方針を着実に実行し、業績の改善、中期的な企業価値の改善に取り組む」とした。

デバイス事業のアセットライト化では、SDP(堺ディスプレイプロダクト)において、大型ディスプレイパネル生産の最終投入が7月28日に行われ、8月20日前後に生産が終了。2025年3月までにモジュールとして販売を行い、在庫をゼロにする計画だという。液晶の生産に関わってきた約500人の社員に対しては、社外転身支援プログラムを適用し、社員の再就職支援はほぼ完了したという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください