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【決算深読み】シャープ 2024年4月~6月決算は依然赤字、再建へブランド強化と新工場

マイナビニュース / 2024年8月13日 17時54分

また、大型ディスプレイパネル工場をAIデータセンターに転用。それに向けてソフトバンクおよびKDDIなどと話し合いを進めていることにも触れた。

「ソフトバンクに対しては売却し、AIデータセンター事業の主体はソフトバンクになる。そのなかで協業できることがないかということを検討している」と述べた。

SDTC(シャープディスプレイテクノロジー)が担当している中小型ディスプレイパネル事業では、5月14日に発表した「亀山第二工場/三重第三工場の生産能力調整」および「堺工場OLEDラインの閉鎖」の計画を、2024年6月末までにすべて完了。7月9日には、三重第一工場を半導体後工程の生産ラインに転用することに関して、半導体関連企業のアオイ電子と基本合意。さらに複数社と話し合いを行っていることも明らかにした。

「中小型ディスプレイパネル事業の一部社員を、工場立ち上げノウハウや生産技術が活用できる複数社の企業に派遣し、仕事をするというプログラムをスタートしている。2024年9月末までに150~160人を対象に実施する。技術者については、社内の他部署への再配置の検討を進めている」という。

また、エレクトロニックデバイス事業では、カメラモジュール事業を行っているSSTC(シャープセンシングテクノロジー)と、半導体事業を担当するSFL(シャープ福山レーザー)を、2024年度中に、鴻海に譲渡することを発表。沖津社長兼CEOは、鴻海の劉揚偉董事長と定期的にミーティングを行い、具体的協議を進めていることを明らかにした。鴻海グループでのスマホ生産において、カメラモジュール事業との親和性が高いと判断。鴻海による投資を継続することで、カメラモジュール事業を強化できると見ている。

「アセットライト化は、2024年度の最重要経営課題のひとつであり、引き続き全力をあげて取り組む」と述べた。

一方、ブランド事業の強化では、「ここ数年は、デバイス事業への投資が7割に対して、ブランド事業への投資は3割に留まっていたが、2024年度以降は5割にまで引き上げる。生産や販路における協業への投資、新製品開発や金型をはじめとした生産への投資を進める」と語る。

7月25日に、エジプトのエルアラビと、エジプト国内に、冷蔵庫の新工場を共同で建設することで合意。エジプトの旺盛な需要を取り込むとともに、アフリカや中近東への輸出事業の拡大を図ることを発表している。計画では、600L以上の大型冷蔵庫を生産。2027年度にはエジプト市場で約50万台の販売を目指す。

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