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Ryzen 9 9950X & Ryzen 9 9900Xを試す - Ryzen 9000シリーズ全モデルでZen 5を改めて詳細評価

マイナビニュース / 2024年8月14日 22時0分

次いでI-TLB。こちらもNear(グラフ198~200)とFar(グラフ201~203)で別れているが、Zen 5はどちらもL1 I-TLBは64 Entryっぽい数字になっており、その先は1000 Entryまでほぼ一定なところを見ると、間違いなくL2 I-TLBは1000を超えている。グラフ204~227までがI-TLB Associativityであるが、D-TLBの場合と異なりNear/Far共に128 Entryでも暴れ方が非常に穏やかなあたりは、TLBのEntry増加(4倍)に伴いWay数も4倍の64-wayになっている様に思われる。余談だが、コンシューマ向けに2048ものL2 I-TLBが本当に必要なのか? というとちょっと疑問で、明らかにOverkillな気がするだが、この辺は同じダイをEPYCに使う事を考えての方策だろう。

●消費電力測定 / 総評と考察
○◆消費電力測定(グラフ228~236)

最後に消費電力測定。前回同様SandraのDhrystone/Whetstone(グラフ228)、CineBench R24のMulti Cores(グラフ229)とSingle Core(グラフ230)、TMPGEncでの4 Streamエンコード(グラフ231)、GeekBench MLの実行(グラフ232)、3DMark SteelNomad Light(グラフ233)とMetro Exodusの2K(グラフ234)という7つのデータと、この7つのテストにおける消費電力の平均値(グラフ235)、及び待機時との消費電力差(グラフ236)である。

多分グラフ236で比較してもらうのが一番判りやすいと思うが、Ryzen 9000シリーズの省電力ぶりは群をぬいている。先にRyzen 5/Ryzen 7はTDP低めにして効率を改善しているが、Ryzen 9も同様に思えるという話をしたが、実際ほぼ全てのケースでRyzen 9 9950XはRyzen 9 7950Xを下回る消費電力になっている(例外がMetroで、0.3Wほど多かった)。勿論Ryzen 5/7に比べれば、そもそもTDP枠が大きい分絶対的な消費電力は増えているのだが、例えば170W枠のRyzen 9 9900Xが実際にはCore i5-14600Kと同等だったりする(GeekBenchなどRyzen 9 9900Xの方が低い)事を考えると、こうしたハイエンド向けであっても性能/消費電力比に振っているのは明白である。これに関してはSandraの所の冒頭でも書いたが、もっと性能を欲しければRyzen Masterなり何なりでOC動作を掛ければもっと性能は上がるだろう。昨今のIntelのRaptor Lakeのトラブルがまだ解決していない事を鑑みるに、こういう節度のある態度は筆者としては好感が持てる。

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