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Ryzen 9 9950X & Ryzen 9 9900Xを試す - Ryzen 9000シリーズ全モデルでZen 5を改めて詳細評価

マイナビニュース / 2024年8月14日 22時0分

さて凄いのはここからだ。4ByteのCMP #2(グラフ148)ではMicroOp Cacheの効く範囲では9命令/Cycle弱まで性能が伸び、L1の範囲でも20Bytes/Cycleに近い。そして6BytesのCMP #3~#6(グラフ159~153)ではMicroOp Cacheの範囲が50Bytes/cycle超えでほぼ9命令/Cycle、そして8BytesのPrefixed CMP #1~#4(グラフ153~156)では70Bytes/cycle超えでこちらも9命令/Cycleである。Zen 4は常に4命令/Cycleどまりだし、Raptor Lakeも5命令/Cycle止まりなのが、Zen 5ではかなり複雑な(Prefixed CMPなんてその代表例だろう)命令でも常にMicroOp Cacheから9命令/Cycleで供給されることが確認された格好だ。このFront Endは、Lunar Lakeに搭載される予定のLion Coveと十分競合できそうだ。

ちなみにこの数字はあくまでMicroOp Cacheからの供給なので、通常のDecodeでは最大でも8命令/Cycle、実際にはL1/L2の帯域がボトルネックになるので6命令/Cycle前後がピークになると思うが。

Decode Efficiency(グラフ157)に関しては、やはりMicroCodeでの処理になると性能が落ちるのは致し方ないが、恐らくこのMicroCodeのPathもダブルで搭載しているためか、Zen 5ではZen 4の1.5倍ほどの性能に向上している。またROB(グラフ158~161)についても、Zen 4ではちょっと独特な構造だったのが再びコンサバティブに戻った格好で、しかもLatencyがRaptor Lakeと比べても十分低い、割と素直な特性になっている(グラフ160のPseudo Randomだとちょっと変動するが、Zen 4の1/4以下のLatencyで収まっている)のは大きな違いと言える。

次がCache周り。まずD-CacheのBandwidth及びLatency(グラフ162~168)であるが、Bandwidthを見るとZen 5ではL1~L2が48Bytes/cycle弱、Writeも48Bytes/cycleと圧倒的にZen 4から強化されている。Copyだと32Bytes/cycleあたりに落ちるのは仕方ないとして、そのCopyもRaptor LakeではL2が12Bytes/cycleあたりまで落ちるのにZen 5では32Bytes/cycleをほぼ維持するあたり、L1/L2の帯域が圧倒的に大きくなっているのが確認できる。これはSandraの結果とも矛盾しない。それでいてLatencyはかなり低く、L2までの範囲では3cycle弱をコンスタントに維持している。ことL2までの範囲で言えば、Zen 5はキャッシュ帯域も広がり、それでいてLatencyも低いという恐ろしく強力なコアであることが見て取れる。

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