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大河原克行のNewsInsight 第316回 「技術未来ビジョン」 パナソニックが挑戦する、21世紀の新たな「水道哲学」

マイナビニュース / 2024年8月16日 14時2分

今回のビジョン策定では、これまでの技術起点のアプローチを見直し、パナソニックグループ独自のデザイン経営メソッド「未来構想プログラム」を用いた新しいフレームワークを活用。多角的な視点を取り入れるため、ビジネス、テクノロジー、クリエイティブといった専門性を持つ人材で策定チームを構成し、社会変化の兆しをリストアップした「未来の兆しカード」や、社会や暮らしに大きなインパクトをもたらす技術変化を整理した「技術変化ドライバー」を共有して分析。「人間中心・未来起点」の観点で2040年の未来にありたい姿を議論し、策定したという。

着目した社会変革と技術進化として、人生100年時代の到来、孤独の社会課題化、AIによる労働生産性向上、DX市場の拡大、再エネ利用の一般化、地球の沸騰などをあげ、「これまではモノづくりのメーカーとして物質的な豊かさにこだわった仕事をしてきた。だが、これからは当たり前だと思っていたことが変わり、自然との関わり方が劇的に変化していくことが想定される」とし、「ともに助け合うことが自己犠牲を前提としたものではなく、限られた資源を無駄なく生かし、それを自分だけでなく、他者にもメリットを提供できるような選択肢を用意し、分散型の仕組みのなかで構築していくことになる」と語った。

○技術未来ビジョンの3つの要素、資源・時間・人

技術未来ビジョンは、3つの「要素」と、それによって実現する3つの「めぐる」にまとめている。

ひとつめの「資源価値最大化(エネルギー・モノ・食)」では、「日々の生活の中にグリーンで安心安価なエネルギー・資源が“めぐる”」を実現するという。

エネルギーを街中どこでも作れること、使いたいときに使いたい分だけ使えること、融通し合ってロスなく使えることを目指す。パナソニックグループによる具体的な技術として、蓄電システム、次世代半導体実装、エネルギーマネジメント、グリーン水素製造、燃料電池などに取り組むという。

ここでは、ペロブスカイト太陽電池について説明。1メートル×1.8メートルの実証サイズを製造可能なパイロット製造ラインを、大阪・守口に設置。2024年度中に稼働させることを発表した。同社のペロブスカイト太陽電池は、独自の材料技術とディスプレイ開発で培った製造技術を用いて、サイズやデザインの柔軟性を持ち、長期使用できる耐久性を実現している点が特徴だ。「発電するガラスを実現でき、再エネ率を40%以上に高めることに貢献できる。当初は2028年の市場投入を想定していたが、2026年にはテストの形で、建材一体型太陽電池を市場投入する」と語った。

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