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大河原克行のNewsInsight 第316回 「技術未来ビジョン」 パナソニックが挑戦する、21世紀の新たな「水道哲学」

マイナビニュース / 2024年8月16日 14時2分

2つめの要素である「有意義な時間創出」においては、「日々の時間の使い方の中に生きがいが“めぐる”」とした。

時間の使い方が効率化され、自分の意思で使う時間が十分にあること、やりがいがある仕事や活動など、納得のいく時間の使い方ができるようにするためにスキルマッチングや需給バランシングを実現。センシングデバイスや行動認識AI、技術学習AI、ロボティクス、協調作業、遠隔化技術を活用し、サイバーフィジカルシステム(CPS)として提供することになる。

「いまは、生活の維持に必要な『労働』の部分にリソースを取られ、仕事の意味が感じられなくても、労働集約的に職場のなかで働いているの現状である。多様な現場で効率性を高め、労働を減らして、機械に代替し、自動化することで、長く残るものを作るワーク(仕事)と、人とのつながりを生む活動を増やすことに貢献したい。これまでバナソニックグループは、家事労働からの解放を目指して家電を進化させてきたが、現場のCPS、人と暮らしのCPSにより、エッセンシャルワークをディーセントワーク化していく」と述べた。

そして、3つめに「自分らしさと人との寛容な関係性」をあげ、「心地よい心身の状態でまわりの人との関係性の中に思いやりが“めぐる”」という世界の実現を目指す。

ここでは、自分自身の状態がわかり、他者との違いに寛容な関係性の構築や、自分にあった心身の状態に回復できる社会を目指し、行動認識や感情認識、生体センシング、健康寿命延伸ソリューション、フレイル・予兆把握、細胞培養装置などの技術に挑戦するという。

細胞培養装置は、テーラーメイドによる個別化医療の一般化に貢献する技術であり、地域ごとに一人ひとりに最適な医療を提供することを支援する。「経済原理性を追求すると、万人に効く薬の開発や、万人に効く治療法を目指すことになりがちだ。一人ひとりに最適な個別化医療は、研究が進んでいるものの、大幅な低コスト化や省力化が必要である。パナソニックグループでは、IPS細胞を使って、個別のがん治療に用いるT細胞の自動製造を実現する閉鎖系細胞培養装置を開発しており、熟練者がいなくても、高品質な細胞を、安定生産でき、街のクリニックでも使ってもらえるような再生医療社会の創出に貢献していきたい」と語った。

3つの「要素」と「めぐる」を実現する共通技術基盤として、「AI×CPS」をあげる。

環境や空間、人の行動や状態のデータ分析に基づく、サービスやソリューションにより、暮らしに多様な選択肢を提供できるもので、パナソニックグループが家電やデバイス、住宅などで培ってきた多様な顧客接点を活用し、家や街、コミュニティにおける人や人同士の関係性をセンシングしてデータ化。マルチレイヤーでモデル化することで、人や場を理解し、多様な選択肢を提供することになるという。ここでは、パナソニックグループとカリフォルニア大学バークレー校と共同開発したHIPIE(ヒピエ=Hierarchical Open-vocabulary Universal Image Segmentation)を活用。言語や画像など、様々なデータを学習し、迅速に、安全に、AIを展開できるという。

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