1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

富士通、ドラッグ・ロスの解消に向け治験領域でデジタル化を支援

マイナビニュース / 2024年8月27日 7時29分

画像提供:マイナビニュース

富士通は8月26日、クロスインダストリーで社会課題解決を目指す事業ブランド「Fujitsu Uvance」の「Healthy Living」において、ドラッグ・ロスの課題解決に向けた取り組みを開始することを発表した。同社は製薬企業や医療機関などと共に治験領域で医療データを活用した新たなエコシステムを構築することで、国際共同治験を日本へ誘致する取り組みを開始する。

2023年3月時点で、欧米では承認されているものの日本では承認されていない医薬品が143品目に上る。このうち国内での開発が未着手の医薬品は86品目あり、そもそも製薬企業が開発しない、ドラッグ・ロスの問題が深刻化している。

富士通執行役員EVPの大塚尚子氏は「新薬へのアクセスが断たれた患者は、新薬を選ぶかどうかすら選択できない。これはどれだけ不合理なことだろうか。当社はこの問題にデータインテリジェンスでアプローチする。医療データの収集や加工を標準化し、治療プロセスをデジタル化することで治験環境を整備し、日本で実施される国際共同治験数を何倍にも増やしたい。今回立ち上げる新事業によって、新薬上市の短期化と治療オプションの多様化を目指していく」と強く訴えかけた。

ドラッグ・ロスの発生要因

新薬の開発は、基礎研究や非臨床試験から治験を経て製造承認へとプロセスが進められる。特に世界複数カ国で実施される治験は国際共同治験と呼ばれ、日本で速やかに医薬品製造承認を取得するためには、国内での治験実施が求められる。

しかし、日本の薬価抑制策や、日本特有の地理的な医療環境から、治験計画に必要な症例収集にコストや時間を要するため、国際共同治験の対象地域から日本が除外される例が増えている。その結果として、日本で実施される国際共同治験数は他国と比較して23位、アジアでも6位となっている。

治験のプロセスは、計画と実施にそれぞれ分類できる。このうち、同社は計画段階を効率化するソリューションを展開する。具体的には、治験領域のデジタルプラットフォームの提供と、治験関連文書作成の支援を行う。
Paradigmとのパートナーシップにより治験プラットフォームを展開

富士通は2024年7月に、治験プラットフォームを展開する米国スタートアップのParadigm Health(以下、Paradigm、パラダイム)と戦略的パートナーシップ契約を締結した。富士通の医療データ利活用基盤「Healthy Living Platform」およびAIサービス「Fujitsu Kozuchi」とParadigmの治験プラットフォームを連携し、治験計画業務の効率化を図る。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください