なぜロータスの新車「エメヤ」は電気で走る4ドアGTなのか
マイナビニュース / 2024年9月3日 11時30分
「特にEVに関しては、アクセルペダルを踏み込んだ時のレスポンスがすごくいいですし、サイズの大きなクルマほどそういった印象がわかりやすくできるでしょう。実は私は毎日のようにBEVに乗っているのですが、これと比べるとガソリンエンジンのクルマは反応が遅くて、古く感じてしまうんです。このあたりは、エメヤやエレトレに乗っていただければ、理解してもらえるはずです」
スポーツカー以外の分野への進出に意欲を見せるロータス。当然、今後はマーケティング面も変わってくる。その点について、同じくロータス・カーズ日本と台湾を統括する寺嶋正一さんは、「ライフスタイル寄りのイベントをより多く開催していきます。ロータスがある生活を表現したいのです」と述べる一方で、「これまで通り、サーキットを含めた走行重視のイベントも引き続き開催もします。そうすることで、ロータスはこんなに幅広く楽しめるのかということを訴求したいんです」と語っていた。
また、ロータス・カーズ・アジアパシフィックおよび中東アフリカ地域のマーケティング&広報のヘッド、ラムジ・アタットさんも、「新しいお客様もお迎えしたいのですが、当然、これまでのお客様も大切にします。なぜなら、彼らこそロータスの良さをわかっているからです。そこにはロータス以外のデイリーユースのクルマもあるでしょう。それをロータスに変えてもらえるいい機会にもなりますね。とにかく乗ってもらうこと、そうすればロータスだということがわかってもらえるでしょう」と話していた。
はたしてロータスが4ドアGTやSUVなどを作って市場に受け入れられるのか。正直、疑問はぬぐえないが、彼らは相当な自信をもって計画を推し進めている。その証拠に、同社は先ごろ、ニューヨークのナスダック市場に上場をはたしているし、実際、昨年の売り上げは過去最高を記録したそうだ。
それでも心配そうに話を聞いている私にダンさんは、「ガソリンエンジンのスポーツカーも開発は続けていきますよ」とにっこりと笑って教えてくれた。ロータスは電動車とガソリン車の二正面作戦で今後の歩みを進めていくことになる。
内田俊一 うちだしゅんいち 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験をいかしてデザイン、マーケティングなどの視点を含めた新車記事を執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員。 この著者の記事一覧はこちら
(内田俊一)
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