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中小企業デットファイナンスの新潮流 第24回 2023年の資金調達環境の概観 創業ファイナンス

マイナビニュース / 2024年9月6日 8時0分

最後に、創業時の資金調達の難易度を類推するため、新設法人のうち出資を受けた企業の比率と融資を受けた企業の比率を試算してみます。

創業後1年の間に出資を受けられる株式会社の比率は年々低下しており、起業直後のエクイティファイナンスの間口が狭まっています。100社に1社という状況です。「投資に値する起業家が減った」という意見がありますが、数字の裏付けを見て取れます。日本政策金融公庫の創業融資を受けた法人の比率も減少傾向です。コロナ禍を経て5社に1社から6社に1社という状況に変わりました。先数は増加しているので、法人設立数の増加が比率の低下に大きく寄与しています。民間金融機関の創業融資を受けた企業の比率は年々上昇しており4社に1社の状況に近付いてきたと言えるでしょう。

2023年の創業ファイナンスに関する考察は以上です。次回は私募社債の最新状況について紹介いたします。

→前回連載「東大発ベンチャー現役CFOが教えるデットファイナンス入門」はこちら

千保理 せんぼただし ロンドン日本人学校中学部、東京学芸大学教育学部附属高等学校、東京大学経済学部経済学科を経て、東京大学大学院経済学研究科修士課程企業・市場専攻修了。専門は企業金融(コーポレート・ファイナンス)。生命保険会社のシステム子会社にて勤務した後、東京大学発IT系ベンチャー企業にCFOとして参画し、2022年に独立。未上場企業の融資による資金調達を得意としており、会計ソフトウェア会社やベンチャーキャピタルが主催する起業家向けの財務経理セミナーの講師を務めている。著書(共著)に千保理・滝琢磨・辻岡将基『~事業拡大・設備投資・運転資金の着実な調達~ベンチャー企業が融資を受けるための法務と実務』(第一法規、2019)がある。 この著者の記事一覧はこちら
(千保理)



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