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窓辺の小石 第181回 誰が太ってる?

マイナビニュース / 2024年8月30日 14時37分

画像提供:マイナビニュース

プレビュー版WindowsBuild 27686(Canaryチャンネル)では、FormatコマンドでFAT32の容量制限が外されて、最大2ギガバイトまでに引き上げられた。公開されているのがCanaryチャンネルなので、標準版Windows 11に搭載されるのは、少なくとも今年秋に公開予定のVer.24H2よりも後になる。なお、解除されるのは、フォーマットコマンドに課せられていた制限で、ファイルシステムとしての制限ではないことに注意されたい。今でも32ギガバイトを越えるFAT32ファイルシステムにはちゃんとアクセスが可能だ。

FATとはFile Allocation Tableの略で、クラスタに対応したテーブル領域があり、各クラスタの位置には、ファイル内容を記録する次のクラスタ番号が記録されている(図01)。一般にこれをリンクテーブルという。ファイル名などを管理しているディレクトリテーブルが、先頭のクラスタ番号を持っているため、これを使って、ファイルを構成するすべてのクラスタを辿ることができる。最後のクラスタには、終わりを示す特殊なクラスタ番号が記述されている。もともとDisk BASIC時代にフロッピーのフォーマットとして開発されたものが始まり。これを改良してMS-DOSに採用した。最大クラスタ数に応じて、FAT12、FAT16、FAT32があり、それぞれFAT内のクラスタに12、16、32 bitを割り当てていた。初期には相手がフロッピーだったため、それほど高速化を意識しているわけではない。また、エラー対策としては、テーブルを2つ持ち、バックアップ用の2つ目のテーブルを更新してから、1つ目のテーブルを更新していた。これにより、途中でエラーが起きたとしても、2つ目のテーブルに記録が残る可能性がある。

そもそも、FAT32は、能力的には最初から2テラバイトまでのボリュームを扱うことができた。当時のハードディスクやフロッピーで標準的な512バイト/セクタを最大2の32乗個まで管理できた。これは、当時のMBRパーティションテーブルのパーティション最大値である。

8192バイト/クラスタの場合、最大2の28乗個のクラスタを扱え、2テラバイトのボリューム容量となる(図02)。このときの総セクタ数は2の32乗になり理論的な限界値である。

しかし、1999年のWindows 2000に搭載されたとき、Formatコマンド(およびエクスプローラーのフォーマット機能)では、意図的に最大容量が32ギガバイトまでの制限が付けられることになった。ただし、制限はWindows標準のフォーマットコマンドでのもので、サードパーティのフォーマットコマンド(たとえばUSBメモリメーカーの提供するものなど)を使えば、32 ギガバイト以上のFAT32ファイルシステムを作成することができ、Windowsは、これを正しくアクセスできる。

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