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窓辺の小石 第181回 誰が太ってる?

マイナビニュース / 2024年8月30日 14時37分

Windows NTは、1993年の初版NT 3.1からNTFSを採用する。このNTFSに比べて、エラー耐性の低い、FATシステムで当時の最新大容量ストレージを扱うことに不安があったのかもしれない。NTFSにはログからロールバックなどが可能なジャーナル・ファイルシステムになっているが、FATは、テーブルを2重に持つだけなので、NTFSに比べるとエラー耐性は低い。

1999年当時、マイクロソフトはNTFSを主力と考えていたため、FAT形式は補助的な位置付けにしたかったのかもしれない。最大容量を制限することで、NTFSに優位性を持たせたわけだ。また、NTFSでも高速化のためメモリが必要だが、それが圧迫されることを望まなかったのかもしれない。

この頃、USBのマスストレージクラスが成立、2000年頃からいわゆる「USBメモリ」が商品化される。同じく2000年には、現在デジカメなどで採用されているSDメモリカードが登場する。当初のSDカードでは最大2ギガバイトだったため、FAT16を採用した。その後、仕様が追加されるたびに標準ファイルフォーマットを改訂した。2006年のSDHCカードは最大容量が32ギガバイトでFAT32を標準ファイルシステムとした。こうした2000年以降の動きを考えると32ギガバイトという制限もそれほど変なものでもない。

Microsoftは、2006年には、大容量ストレージに対応したexFATを開発、後年これを公開する。exFATは、2009年のSDXCメモリカードの標準フォーマットとして採用され、Windowsもこれに対応する。このためにFAT32の制限は忘れられた感じもある。exFATを使うことで、FAT32が対応できなかった2テラバイトを越える大容量ストレージにも対応が可能になるからだ。

ただ、exFATには、Microsoftの特許が含まれていること、FAT32よりは実装が難しいこともありFAT32が好まれる場面もある。組み込み機器では、利用可能なSDカードがいまだにSDHCまでというものを見かける。それを考えるとFormatコマンドの対応は無駄というわけでもない。とはいえ、今更感もないわけでもない。exFATを強制してませんよ、という訴訟対策という理由もあるのかも。

今回のタイトルは、マイケル・ジャクソンのBadのパロディ曲"Weird Al" Yankovicの「Fat」の一節「Who is Fat?」から。原曲の歌詞“Bad”が“Fat”に置き換わっている。
(塩田紳二)



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