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日本ワインの上質なペアリングに酔いしれて、東京・外苑前 ミシュランガイド掲載の「JULIA」で感性が磨かれる夜

マイナビニュース / 2024年9月10日 18時0分

「パイナップルの発酵スープって、発想が面白いね。」と幸せそうなマイ。ニューヨーク・マンハッタンのミシュラン一つ星レストラン『GRAMERCY TAVERN』にて研修していたこともあるnaoさんの料理は、単なるフレンチにとどまらない。

一つ一つの料理が、naoさんの感性を余すところなく表現した独創的なもの。奥のオープンキッチンにいるnaoさんの真剣な表情が垣間見られて、マイはそのカッコ良さにしびれていた。

ワイン好きな佑介はソムリエ本橋さんのペアリングに興奮。「サッシーノは聞いたことがあったけれど、初めて味わうよ。日本のマルヴァジアも初めて!」と青森県のワイナリー「ファットリア・ダ・サッシーノ」の白ワインを味わう。マルヴァジアというぶどう品種は海外のワインでもマイナーで、日本産は本当に希少だ。

本橋さんもnaoさんとともにアメリカの星付きレストランで研修した。その時、店のシェフソムリエから「日本人ソムリエとして日本ワインを紹介していくべき」とアドバイスを受けたことがきっかけで、日本ワインペアリングを始めたのだという。

○料理とワインの組み合わせは、男と女の相性に似ている

料理と日本ワインの感動的なペアリングを味わうたびに、マイの顔はほころんだ。彼女の長いまつ毛が繊細な影を落とすと、何だか今夜は消えそうなほどはかなげに映る。佑介はふと少し真剣な表情になった。「マイ、最近はどう? 何か困っていることとか、ない?」

新玉葱のコンフィにフォークを添えていたマイは「う~ん、そうね。実は少しだけスランプに陥っているかも……」と答えた。言葉を選びながらマイは、「新しいデザインのアイデアが浮かばなくて。」と小さくつぶやく。

佑介は優しく微笑んでマイの青い目をじっと見つめた。「大丈夫だよ、マイは。僕が誰よりもマイの才能を知っているよ。今回もきっと大丈夫」。

少し驚いたような表情を一瞬だけ見せたマイは、目を伏せて口角を上げた。いつも自分の心強い味方でい続けてくれる佑介の言葉が、深く心に響いた。「佑介の方は、どうなの? 仕事は順調?」

佑介はグラスのワインを揺らした。岡山県「ドメーヌテッタ」のシャルドネ。シャルドネなのにオレンジ色に輝いて美しい。

「俺の方はね、相変わらず忙しい。けれど、悪くないよ。」茨城産の山菜の一品は、ほろ苦いものや、土っぽい香りなどどれも力強い風味で、一口ごとに楽しい。

実は佑介もたまにスランプに陥っていた。だがこうしてマイと一緒にいると、不思議とそれは"クリエーターの証し"のような感覚で自分の中で処理できてしまう。気持ちに少し余裕が生まれてくる。山形県の「酒井ワイナリー」の「まぜこぜワイン赤」と味わいながら、佑介は笑顔で答えた。
○分かり合える二人だからこそ、自然体で美しく輝く

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