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カレー沢薫の時流漂流 第315回 日本人はもっと上を向いて歩こう、あとネットは使い過ぎないように気を付けよう

マイナビニュース / 2024年9月2日 17時7分

画像提供:マイナビニュース

つい最近、内閣府が公開した「満足度・生活の質に関する調査報告書2024」によると、日本人の生活満足度は過去最高で、上昇率も過去最大だったらしい。

まず、この結果に不満が爆発している(いつものネット界隈の)人多数な時点で、(いつものネット界隈においては)調査の信ぴょう性が疑われる。

確かに、満足度過去最高と示すことで、近年の政策が正しかったと主張できるし、満足を多数派にすることで、不満を「少数派の意見」として軽んじることもできる。

しかし数字を改ざんしたり、頭に謎のボルトが刺さっている人にしかアンケをとってないなど、あからさまな操作が行われているかというと、さすがにそうでもない気がする。

私も大概不平不満ばかり言っている方だが、いざ尋常にアンケート用紙と対峙したら、満足、割と満足の2つにマルをつけてちょっぴりオトナになっている気がしてならない。
○ネットのお前ら、現実世界のお前ら

私が国が見ていないところでは国の悪口を言うが、いざ内閣府に「どう?」と聞かれたら「万事順調であります」と答える腰抜けであることは否めないが、忖度ではなく、冷静に考えた結果、やや満足と返答してしまう可能性は十分にある。

さすがの私も真面目なアンケートとXの投稿欄に同じ精神状態で向き合えるほどパスりあげてはいないのだ。

そもそも健康な中年が平日の昼間にXに向かい、何か投稿しようとしている時点で尋常ではない。

尋常ではないため、Xでは「見ず知らずの作家の読んだこともない漫画がアニメ化した」ことに本気で不平を言い、それに比べて自分が売れていないことに不満を爆発させるという正常ではない発言をしてしまうのだが、恐ろしいことにXではその異常思考が平常運転だったりするのだ。

つまり、満足度過去最高の調査結果に「そんなわけはない」と感じる者は、Xのおすすめ欄など、不平不満しかない、むしろ「今の生活に満足している」などと言おう者がいたら、間髪入れず引用リプで不快にさせて、一瞬で不満にさせる場所に入り浸っているせいで「この世に満足している人などいない」と思い込んでいるのかもしれない。

そもそもネットは、リアルでは言えない不満を言う場所なのでリアルよりネットに比重を置いて生活している者ほど、世の大半は不満を抱いているようにしか見えなくなってしまうのだ。

だが、おすすめ欄の住人である私でさえ、改まった形で「今の生活に満足か」と問われたら「呪術廻戦より売れてないので不満です」とは答えない。

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