デジタル広告から人材育成に転身し、新規事業立ち上げへ - 電通デジタル人材開発プランナーにみるキャリアの新しい形
マイナビニュース / 2024年10月4日 14時15分
電通デジタルで人材開発プランナーを務める太刀川(たちかわ)貴之さんは、キャリアを自ら開拓して現在に至る。広告のプロフェッショナルから人材育成のスペシャリストへと転身を遂げ、現在では社外からも研修の依頼がくるという。太刀川さんに現在の取り組み、そしてキャリアの考え方などについて話を聞いた。
人材育成に足を踏み入れた契機は社内の異動制度
太刀川さんは2017年、それまで勤務していたインターネット専業代理店から電通デジタルに入社した。電通デジタルでは、主として自動車系クライアントのデジタル広告領域を担当した。
人材育成の世界に足を踏み入れることになったきっかけは、入社して5、6年たったころに目にした社内の公募制度だ。これは社員が自ら希望する部門に異動できるという制度で、ちょうど業務に「慣れ」を感じるようになり、今後のキャリアについて考えていた時に目に留まったという。
太刀川さんは「もともと育成や教育には興味があり、所属するマーケティングコミュニケーション領域の育成関係の部署に応募しました」と語る。
太刀川さんの背中を押したのは、それまでの広告の仕事で顧客からもらっていた「説明がわかりやすい」というフィードバックだ。「もしかしたら、人に教えることが得意なのかもしれないと思いました」と、太刀川さんは振り返る。
面接を経て、現所属領域内の人材育成部署に異動した。新部署は現領域に属するが、「前線で働くメンバーを支援する「ミドルオフィス」と太刀川さんは説明する。
実践に徹した研修プログラムを開発
現部署における最初の仕事は、第二新卒社員向けの研修プログラムの開発で、2カ月程度で基本的な業務をこなせるレベルまで育成するプログラムを手掛けた。
それまでの研修プログラムは動画が中心だった。これに対し、太刀川さんが着目したのが「ロミンガーの法則」だ。これは人が成長する要素である「現場の経験」「薫陶(先輩や上司からの指導)」「研修」の比率は「70:20:10」であるという法則で、プログラムを作成する際に参考にしたそうだ。
具体的には、広告の基礎知識、必要なOAスキル、広告運用といった内容を2カ月間で身に着ける研修を開発した。これらの内容について、実践的なワークを多く取り入れながら学んでもらうというプログラムが出来上がった。「ワークありきにしたことで、現場のニーズに応えるものになりました」と太刀川さん。同氏が顧客や上司になって広告運用のレビューをするなどのロールプレイングも行ったという。
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