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「配管の状態がわからない」、建設業のスタンダードを変えたロボットとは?

マイナビニュース / 2024年9月6日 10時14分

もともとロボット開発を行っている会社ではなかったこともあり、構想を掲げた当初、社内からは反対の声が多かったという。しかし、今後の社会において配管ロボットの存在が必要不可欠になることを確信していた船橋氏はあきらめなかったという。

そして巡り巡って出会ったのが、立命館大学 理工学部ロボティクス学科生物知能機械学研究室が開発した連結車輪型配管内検査ロボット「AIRo」。

同社は研究室にコンタクトを取り、2018年より技術協力を得る形で、2020年11月より拠点である山形県内の学校や公共施設での試験導入を推進。2020年10月14日よりパイプ探査ロボット「配管くん」として本格的なサービスの開始に至る。

同ロボットは、複数のジグザグ型リンクを備えた自走式ロボット。関節に備わったバネにより、車輪を配管内壁に押し付けることで、水平だけでなく垂直の配管内も走行可能だ。また、車軸とリンク間の関節軸が同一直線状に配置してあるため、曲管走破性を損なわずに小型化が実現されており、先端と後端に備わった球状車輪によって、ロボットの姿勢を配管軸回りに転がすこともできるという。

この技術をベースとして前後にCMOSカメラとLED、ジャイロセンサ、角速度計を搭載し、直径100~150mmの配管内を自由に移動しながら内部の映像を撮影、配管の状況を確認していくことを可能とした。また、現在までに配管の位置計測や診断と図面作成を行うソフトウェアも開発し、設備のメンテナンスやリニューアル工事の提案を行うサービスも展開するようになったという。

3種類の形態が用意されている配管くん

他社にも似たようなロボットはあるが、建設設備に特化し、マップデータの取得もできるところが独自の特長だと船橋氏は語る。

配管くんには3種類のラインナップがあり、「I型」はAIRoの技術を活用した最初のモデルとなる。口径が変わる配管も通過が可能で、配管内の画像やマップも保存することができる。

「II型」は、高圧洗浄ノズルに接続し水の力を使い、洗いながら前に進むAタイプと、船のように水流で配管内を移動するBタイプがあり、映像で内部状況を確認しながら、配管洗浄、マッピングが可能だ。

そして「III型」では、ファイバースコープ型のMTカメラが搭載され、MTカメラの周りに取り付けてあるバネワイヤーによる螺旋の力で、8箇所以上のエルボー、T字管など曲がりの多い小口径の管を通過することができるとする。従来の管内カメラでは届かなかった場所の内部撮影が可能になるほか、直径15mmと小さなサイズであるため、ガス管内の腐食状態も保守点検できるとのこと。

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