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20代から高めておきたい投資・資産運用の目利き力 第117回 M&Aでおさえておきたい事業投資の原理原則

マイナビニュース / 2024年9月13日 9時0分

――和家さんは、YouTubeチャンネルの「ワケがわかるM&A解説【ワケ塾】」でM&Aに関する情報発信をされていますが、情報格差を解消するための一環なのですね。M&Aで会社や事業を買った後に買い手が後悔することもあると思いますが、M&Aに関する知識を身につけておく以外に、どんな対策が必要と感じますか?

和家氏:買い手の失敗パターンで多いのは、「引き継ぎがされない」や「思ったよりシナジーがなかった」というケースです。売り手も、譲渡前は「しっかりと引き継ぎします」と当然言うのですが、いざ譲渡契約が終わると緊張の糸が切れ、レスポンスが悪くなったり、譲渡後の引き継ぎ・PMI(統合作業)を手抜きしたりすることがあります。

サイトM&Aの場合、社長や担当者が一人で運営しているケースも多く、譲渡後の引き継ぎが要です。契約書に引き継ぎに関することを記載するのはもちろんですが、しっかりと信頼関係を築いておくことも重要だと思います。

○良いサイトを見極めるために知っておきたい「事業投資の原理原則」

――引き継ぎは本当に重要ですね。先ほど「思ったよりシナジーがなかった」という失敗パターンのお話がありましたが、これも本当に多いですよね。

和家氏:シナジーを期待するよりも、その事業単体で伸ばせるかどうか、成長する絵を描けるかどうかで案件を見極めた方が良いと思っています。ウェブの世界は日進月歩でいろいろな新しい技術やサービスが生まれています。しかし、事業や事業投資の原理原則は変わりません。

事業として伸ばすためには、「アクセス数を倍増するのが良いのか?」「会員数を倍増するのが良いのか?」「商品点数やサービスラインナップを倍増するのが良いのか?」など、「客単価×客数×頻度」というシンプルなロジックを突き詰めて考え、どこを伸ばすのが良いかを「イメージする」のではなく、「計算する」ことだと思います。

経営の多角化を目的にM&Aを検討することもありますが、飛び地で知見のない業界業種に飛び込むのはただのリスクです。既存事業のシェアを拡大できるのか、既存顧客に新サービスを提供できるのかをしっかりと考え、例えばEC事業であれば、仕入れ(仕入れ価格や仕入れ数、商品の質、仕入れのスピードなど)を検討し、アクセス数や会員数の維持、再現性、譲受後も伸ばせるかどうかなど、一つひとつ検証していくことが欠かせません。原理原則を守ることは、どんな時代でも大切なことだと思います。
○ゼロイチが好きな人ほど連続起業家に向いている

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