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エンタープライズIT新潮流 第34回 「2025年のDX化の奈落」に落ちないための4つのヒント

マイナビニュース / 2024年9月9日 7時0分

画像提供:マイナビニュース

「2025年の崖」という言葉は、経済産業省が2018年に発表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」と呼ばれる資料の中で初めて使用されました。ここでは、「既存システムが、事業部門ごとに構築されて、全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされていたりするなどにより、複雑化・ブラックボックス化している。経営者がDXを望んでも、データ活用のために既存システムの問題を解決し、そのためには業務自体の見直しも求められる中(=経営改革そのもの)、現場サイドの抵抗も大きく、いかにこれを実行するかが課題となっている。この課題を克服できない場合、DXが実現できないのみでなく、2025年以降、最大12兆円 / 年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性ある」と述べ、このとこを2025年の崖と命名したのです。

うまいこと言いましたよね。考えてみれば、もう来年です。このレポートの効果やインパクトもあり、日本の企業のデジタル化は進捗して、多くのレガシーな既存システムからモダンなSaaSアプリケーションへの移行も始まっています。
○日本企業が陥りがちな「奈落」とは

筆者の双子の孫はグリコのプッチンプリンが好きなのですが、この記事を書いている時点では、グリコの冷蔵品の出荷が停止しています。これは、グリコのSAP S/4 HANAの稼働遅延の影響だそうです。結構話題になっていますね。このようなことが、多くのエンタープライズアプリケーションの導入で日常茶飯事のように発生しています。グリコのケースでは、なんで平行稼働などのチェンジマネジメントをやらないのかと不思議に思いますね。

筆者は最近、何社かERPなどのエンタープライズアプリケーションを提供するグローバルベンダーで働いていました。詳しくは言えませんが、同じような導入遅延がお約束のようになってきています。しかも、長期にわたる遅延です。これは、かなりやばい事態です。筆者はこの状態を「2025年のDX化の奈落」と呼んでいます。別の経済損失が発生しているのです。

「2025年のDX化の奈落」には、「2025年の崖」の乗り越えるために数多くのエンタープライズアプリケーションのプロジェクトが発生している状況で、日本のIT業界が深刻な人手不足とスキル不足に陥っている背景があると考えます。ご存じのように、特にプロジェクト管理を担うプロジェクトマネージャーの数が圧倒的に不足しています。

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