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中小企業デットファイナンスの新潮流 第25回 私募社債の最新状況

マイナビニュース / 2024年9月13日 8時0分

画像提供:マイナビニュース

前回は2023年の資金調達環境について創業時のファイナンスをテーマに説明いたしました。今回は私募社債の最新状況について情報提供いたします。私募社債はSiiibo証券株式会社(以下、Siiibo証券)が提供しているデット性の金融商品です。間接金融である金融機関からの融資とは異なり、直接金融の形態で投資家から企業へ資金が供給されます。Siiibo証券の広報担当者にお話を伺いました。

私募社債のサービスを開始してから約3年が経過し、制度面と運用面の双方で環境の変化が起きています。制度面では特定投資家向け銘柄制度(J-Ships/JSDA Shares and Investment trusts for Professionals)が始まったことにより、プロの投資家である特定投資家に対して証券会社が非上場企業の新株予約権付社債の勧誘をすることが可能になりました。制度改正を受けて、Siiibo証券は2023年8月にアーリーステージ以降のスタートアップ向けに転換社債でのベンチャーデット調達支援サービスを開始しております。

サービス面では、2023年12月に社債のセカンダリーマーケットを開始しました。現在進行している政策金利の上昇局面では債券価格が下がるので、売り手の意欲が高まらないことが想像されますが、Siiibo証券によれば、私募社債には6ヶ月ごとの繰上償還請求権がついているため価格が下がりにくく、市場の動向に関わらず投資家個人ごとの現金化ニーズに基づいて売却が行われているため、取引高は順調に積み上がっているとのことです。

さらに、償還を終えた事例が出始めており、事業成長のペースに合わせて償還前に追加調達をするリピーターも増えています。企業の財務担当者の間で私募社債が着実に浸透してきていますが、申込時の注意点は利用できない業種があることと、間接金融と比較してリスケジュール(返済条件の変更)が難しいことです。

利用できない業種は具体的には貸金業で、特定金融会社等の登録がされていない貸金業者の場合は社債を発行することができません。特定金融会社等の登録要件には、資本金又は出資の額が10億円など、一定のハードルがあります。詳しくは「金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律」(通称「ノンバンク社債法」)第六条第一項第二号と「金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律施行令」第四条をご参照ください。

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