「The職人」ベテランに聞く!建設現場で起きていること、これから起きること
マイナビニュース / 2024年9月20日 10時0分
●建設現場はどのように変わり始めているか
建設産業の内外に「建設DX(デジタルトランスフォーメーション)」を実現しなければいけないという意識はあるのに、なかなか進まない現状があります。
本連載では、その理由が何なのか、建設DXの普及を牽引する企業である野原グループの代表取締役社長兼グループCEO、野原弘輔氏をホストに、建設産業に携わる多様な立場のゲストの方との対談を通じて、建設産業への思い、DXへの取り組みについて浮き彫りにします。
第3回は、リフォーム、電気工事、内装仕上げの現場で活躍するベテラン職人であると同時に組織の代表を務める3人の方に、現場の現状とこれからについてお話を伺います。
野原: 皆さんは長く建設産業で働かれていると伺っています。10年、20年と現場を見続けてきた中で、最近の建設現場で変わってきたと感じるところはありますでしょうか。
小泉: 普段は電気工事を生業とした会社を営んでいて、新築の物件を多く手がけています。10年前と比べて、最も大きな変化は「スマートフォン(以下、スマホと省略)の普及」です。
昔は連絡を取り合うのが大変で、現場監督との調整に苦労していま
した。しかし今はスマホが普及し、LINEなどのアプリケーションが増えてきたので、コミュニケーションの形とスピードと質が変わりました。
従業員たちとのコミュニケーションで言えば隙間時間でも気軽に連絡がしやすくなりました。スピードの質という点でも、自分がいない現場で問題が起きた時に、以前なら私が現場を離れてその現場に向かって確認することがなくなり、すぐに解決できることが増えたと思います。
豊崎: 当社はリフォームに特化した大工工事をしています。LINEの登場は本当に画期的でした。撮影した写真をLINEですぐに共有できるのが大きな変化です。トラブルが起きた場所を撮影して遠くにいる担当者に確認
してもらえるので、現場間を移動する回数がすごく減ったと思います。
スマホがなかった時代は、問題が起きるたびに電話で「今すぐに来い!」なんて現場に呼び出されるのは当たり前でしたので。
野原: 反対に仕事のやり方やコミュニケーションなどについて、昔
と今で変わっていないと感じるところはありますか?
吉富: 私の主な仕事は窓ガラスへのフィルム貼りです。事前に誰が現場に入るかという情報は提出していますし、グリーンサイト(※1)やキャリアアップシステム(CCUS:建設キャリアアップシステム)といった登録は済ませているのですが、新規入場者調査票を紙で提出するのを求められるのは変わっていません。
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