「シン職人」これからを担う若手に聞く!未来の建設現場の有り様とは?
マイナビニュース / 2024年9月25日 10時0分
渡邊: 私は反対に一切誰にも教わらずにここまで来ました。18歳の頃にアルバイトで解体の現場に入りましたが、特に師匠と呼べるような存在はいなかったので、現場で見て覚えて、失敗して怒られて、を繰り返しながら独学で覚えていきました。休憩時間に勝手にユンボを動かして怒鳴られたこともあります(笑)。
今の時代にはもう「見て覚えろ」ははやらないと思いますよ。もちろん覚えがいい人、悪い人の差はありますけど、今は1から10まで説明してあげるのが大前提になっているのではないでしょうか。
●変わらない建設産業の慣習。DXが現場を変える?
野原: 皆さんのお話にあるように、おそらくはそれぞれの現場で「こうすればもっと早く覚えられるのに」「こう教えたらわかりやすいのに」というアイディアはありつつも、それを広く実行できていないのが現状と思います。そうした課題は、今後DXを推し進めることで改善ができるのでしょうか。
東: デジタルうんぬんの前に慣習やルールの見直しが先のような気がしますね。今の建設現場は昔ながらの生産性が低いやり方がたくさんあります。しかも元請けも、そのやり方を続けなければいけない理由を説明できないものが多くあります。
徳島: ラジオ体操なんて最たる例だと思います。仕事を始める前にラジオ体操をやるのはいいことだと思うのですが、とても手を広げられないような狭いところに集められたときでも必ずラジオ体操の時間はあります。慣習としてラジオ体操の時間は設けられるのでしょうが、これでは時間をとる意味がありません。
他にも、たった2段の朝礼台に登る時に、毎回「足元よし!」と言わせるのも無駄だと感じます。環境や状況に関係なく続けているだけの古いしきたりや作法は、見直した方がいいと思います。
東: 私が働いている場所で言うと、重機の停車中には後方部に「停車中」というステッカーを貼るのが決まりになっています。先日、ガラ山の上に重機を止めないといけなかったのですが、それでも鉄筋とかがたくさん飛び出しているガラ山を歩いて、後方に回ってステッカーを貼らないといけませんでした。
安全確認のためのステッカーのはずなのに、貼る行為そのものが危ないですよね。しかし、昔からやってきた決まりごとだからやらないといけない。こういった理不尽なルールは、至るところに残っていると思います。
渡邊: 考え方が古いというか、止まっている感じですよね。こういう非効率なルールを残すような体質が、若手が増えない理由のひとつにつながっていると思います。
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