「シン職人」これからを担う若手に聞く!未来の建設現場の有り様とは?
マイナビニュース / 2024年9月25日 10時0分
東: 私も続けていきたいですね。おばあちゃんになってもユンボの座席に座り続けていたいです。重機に一目ぼれして入った世界ですけど、未だに現場に入って仕事をするたびに感動します。「仕事をしている」という充実感もありますし、現場が終わればやり遂げた達成感がすごいんです。今でも涙が出るくらい感動する現場があります。
渡邊: 私もやりがいは感じますし、楽しいと感じることはもちろんあります。ただ、一方で若い人たちに勧められるかというと、正直手放しではオススメはできません。建設産業の仕事の進め方が今の時代には合っておらず、SNSや動画サイトでキラキラした世界にすぐ触れられる若い人たちが、わざわざ危なくて汚れる泥くさい仕事を選ぶかというと、やりたがる人なんていないのではと思います。
東: 極論かもしれませんが、泥くささを乗り越えられるのもお金次第っていうところはありませんか? 十分すぎるくらいの収入が約束されるなら、泥くさいことでもやりたがる人は出てくる気がします。
渡邊: それはありますね。やりがい第一でがんばる人がいるのもいいですが、その前提として報酬がしっかりしていないと続けられません。「やりがいがある仕事です」だけを売りにしていくのは、さすがにどうかな、と思います。
野原: 給料面のお話が出てきました。かつては職人といえば高給取りの稼げる仕事と言われてきましたが、現代の職人である皆さんはどう感じているのでしょうか。今でも稼げる仕事であると思われていますか?
徳島: 確かに昔の職人さんの話を聞くと、職人の稼ぎが監督よりも高い時代があったみたいですね。ただ、稼げた理由には労働時間がグレーという面もあったのではと思います。労働時間が長いというのは、今でも変わっておらず、それもあって今でも一般的な新卒社員よりも稼げる仕事になっていると思います。
東: 独立した後の話に限って言えば、全ては自分次第というところはあります。周りを見ていると、人から仕事を振ってもらうだけの人は収入が伸びていかずに頭打ちになるのが早いと感じています。収入を伸ばしていくには、人柄も含めた営業力で仕事をどんどんとっていけるようにならないといけません。
ただ、今は多重下請けの間で抜かれた残りが末端に落ちるようになっているので、がんばろうにも限界があります。ここは改善してほしい点です。
渡邊: まさにその通りで、上(元請け)が労務単価を引き上げて、下(下請け)にもしっかり払ってくれないと、職人は報酬が上がらないんです。また、元請け、一次請け、二次請けが上げたとしても、三次請けの会社が上げなければ、それ以下の下請けや職人は当然上がりません。この中抜き構造が続くようでは、建設で働きたいという人は増えないと思います。
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